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韓国出張報告
1.3年ぶりの韓国である。到着前に機内から見たソウルの中心部は、益々発展し(写真①)、さらに一極集中が進んだように見える。韓国では、サムスン、LG、現代はじめ大手財閥は今や世界のトップ企業として活動しているが、他方、成長を急いだあまり、格差が拡大し、今回与党セヌリ党(旧ハンナラ党)が苦戦する理由となっている。
その国会議員選挙の視察も今回の出張の大きなテーマだ。私が外務大臣政務官当時、FTAなどの意見交換をした金宗壎(キム・ジョンフン)元外交通商部長(2009年4月29日活動報告参照)は、ソウル市内の選挙区から立候補。相手は統合民主党の元大統領候補、鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏である。しかし、選挙事務所は活気があった()し、結果米韓FTA推進派の金氏が圧勝した。

2.また、ソウルの南の水原市の選挙区では、旧知の南景弼(ナム・ギョンピル)氏が5期目の選挙(2006年3月17日日本政策研究フォーラム、2006年12月23日日韓未来構想2006ソウルセミナー、2007年6月23日済洲島ピースフォーラムでよく一緒になる議員で、2008年7月24日自民党青年局で韓国出張した際にも講演してくれた)。韓国では、5期、6期を務める国会議員は珍しいが、彼はまだ46才で、将来の大統領候補の一人だ。選挙戦はまるで韓流スターのような雰囲気で()、舞台で歌ったり踊ったり()するが、やはり日本と同じように支援者の方々と握手して回る()。こちらでも米韓FTA反対派が抗議に来ていたが()、結果は、南氏の圧勝である。(は、候補者横断幕。)

3.また、韓国は、医療機器、再生医療のベンチャーも育ちつつあり、その背景の一つに、日本でいう薬事法から医療機器振興を切り分けた“振興法”をつくったことがあげられる。この点について、医療機器メーカー、再生医療ベンチャーの方々からも話を伺った()。日本では、工学系の知識のない薬学系の人がPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)で、医療機器の承認の作業を行っている。時間がかかるのも当然だ。新しい仕組みを是非提案したい。

4.また、韓国では、経済特区を活用して、経済成長を推し進めている。その一つ「仁川」の特区も視察した()。地震がないためか、高層ビルが立ち並び、さらに空き地に建設中である()。その一方で、立地企業への優遇措置のために、地方自治体の財政悪化も指摘されていた。この特区の“光と影”も見ながら、日本においても、さらに特区制度の拡充を図りたいと考えている。

5.ちなみに、ソウルでは、女性の“整形”は当たり前のようだ。別に整形していることを隠そうともせず、堂々としている。その整形外科がズラリと並んだ通りがあった()。このあたりは、日本人の意識と全く異なる点だ。こうした両国民の思考の違いも認識しながら、対北朝鮮の戦略をはじめ、両国の関係強化を図ることが必要である。