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投資協定(特にISDS条項)、郵政民営化を議論。
1.4月11日(水)朝8時から、環太平洋経済連携協定(TPP)研究会。TPP交渉の中で話題となっている、投資企業が投資先国を訴えることのできるISDS(Investor State Dispute Settlement)条項について議論した。ISDS条項のついては、いろいろ誤解もあるが、私の考え方は以下のとおりである。
(TPPについては、9日(月)、地元のあわじ島農協で勉強会を開きました(写真①))。

①日本は既に、シンガポール、マレーシア、ベトナム、チリなど24ヶ国とISDS条項を含む投資協定を結んでおり、日本企業の投資を保護するために、日本としては、この条項を重要視していること。

②他方、この規定を通じて、アメリカからどんどん訴訟を起こされるのではないか、との懸念があるが、実際にアメリカのたばこメーカー・フィリップモリスが豪州政府を訴えたのも、豪州と香港の間の貿易協定に規定されたISDS条項であり、日本は既に香港含め24ヶ国と結んでいるのであるから、米国の企業の子会社を通じて訴えられる恐れは今でもあるのである。

③さらに、米国企業はこのISDS条項を使った例として、カナダとメキシコの事例がよく取り上げられるが、両国のケースは国内企業を差別的に(優遇して)取り扱った事例であり、我が国ではこうしたことは考えにくい。現に米国企業子会社からの訴えはなされていない。ちなみに、日本企業がこのISDS条項を使ったのは世界中で一例だけで、オランダとチェコの間の投資協定において、野村証券のオランダ子会社がチェコ政府の差別的取り扱いを訴えたケースである。このケースでは、仲裁裁判所は、「チェコ政府の措置は“公正衝平待遇”に違反する」として、約187億円+金利分の賠償支払いを命じているのである。

以上、私自身は、ISDS条項は、日本にとってプラスにこそなれ、マイナスになることはないと考えている。

2.9時から郵政改革特別委員会。9時45分過ぎから私自身が質問に立った(写真②:その模様はこちら)。

3.176兆円の郵便貯金と116兆円の簡易保険の資金を日本郵政は保有しているが、これを国債中心の運用に委ねず、日本経済の活性化に活用するためにも、郵政民営化は必要である。また、全国津々浦々の郵便局ネットワークも国民の財産であり、このネットワークを地域の様々なサービスのワンストップの窓口として維持、活用することも大事である。

4.しかし、政権交代後の2年半の間、株式の売却は凍結され、郵便貯金も簡易保険も残高は減少し続けており、ジリ貧である。地域の郵便局も大変厳しい状況にある。
この状況を打開するために自民・公明・民主三党で協議が行われ、今般、一定の方向について合意がなされたのである。

5.さて、一番の焦点は、政府出資が残ったままで新規業務を行ったり、郵便貯金の預入限度額1000万円を引き上げたりすると、まるで政府保証があるかのような状態の中で、民間銀行、信金、信組、農協、漁協の民業圧迫になりかねない。この「民間との対等の競争条件の確保」が最大のポイントなのである。今回の法律案を適正に運用することが重要である。この点を中心に質問させて頂いた。

6.午後には、会館事務所で、大阪大学の教授、ベンチャー企業家等と再生医療の推進のための仕組みづくりについて意見交換。

7.15時からは党首討論。谷垣総裁は相当気合が入っていたが、野田総理とのやりとりはどうしても、手続論になりがちだ。日本の進むべき道について大所高所から議論をすることが、党首討論の本来の趣旨である。将来、自分自身があの場に立つつもりで、後部席から見守っていた次第である。

8.夕方には、超党派の「世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟」。私は、副幹事長として、昨秋には、パキスタンのワクチン接種の現場も訪れた(2011年10月11日活動報告参照)が、今回、ナイジェリアの状況について意見交換し、撲滅に向けた決議の策定を決定。4月末には連携しているシアトルのゲイツ財団を訪問する計画も決めた。時間が取れるようなら是非訪問したい。

9.そして、4日ぶりにジムで汗を流した後、東日本大震災復興本部メンバーとの打合わせを兼ねた食事会。その後、昭和36年、37年生まれの若手経営者、政治家の勉強・懇談会である「丑寅会合」。そして、被災地の宮古市に総務省から出向している我が灘高の後輩が上京しており、その後の現地の状況を伺う。帰宅は今日も遅くなってしまった。
  • 写真①
  • 写真②