BLOG

米国、ベトナム、フィリピン出張報告(その③~フィリピン編~)
1.フィリピンとの友好議連としてマニラへの訪問団を実施するにあたり、急遽その一員として、マニラ訪問に加わった。5月3日、早朝ハノイを発ち、ホーチミン経由でマニラに到着した。2010年10月に、あの特攻隊が出発したマバラカットでの慰霊祭に参列して以来である(2010年10月26日活動報告参照)。

2.機内から見たマニラは、高層ビルが増え(写真①)、さすがBRICSの次の成長国“VIP”(ベトナム、インドネシア、フィリピン)の一角に構想されているだけのことはある。英語を話すし、成長が遅れた分人件費も安く、日本企業の進出も増加している。

3.今回は、アキノ大統領と面談するとともに、フィリピン側友好議員連盟のメンバーとの意見交換である。

アキノ大統領との面談では、南沙諸島での中国との領有権の問題、地上デジタルの日本方式の課題などについて、大統領はざっくばらんに語られた(、③、④)。戦略的パートナーとしての「日本」を重視する姿勢は明らかで、予定の30分を大幅に延長し、約1時間の面談となった。

4.また、友好議連との会合では、フィリピン側議連メンバーから、日本での看護師、介護福祉士資格の取得の難しさについて、多くの意見が出された()。確かに先にスタートした看護師は158人受けて13人しか合格しておらず、改善すべき点は多い。せっかく日本で働きたいと思って、必死に日本語を覚え勉強しているのに、試験が難しすぎるのである。特に日本語の専門用語が難しすぎるのである。もちろん、人の命を預かる職業であるから安易に緩和はできないが、フィリピン人は、世界中で看護師、介護福祉士として活躍しているのである。是非とも日本を嫌いになることのないよう、改善策を考えたい。

5.フィリピンにとって、戦略的パートナーは、米国と日本だけである。現在、豪州やベトナムともその検討を行っているとのことであるが、南沙諸島・スカボロ―礁(黄岩島)を巡る中国との領有権争いが、フィリピンにとって当面の最大の懸案であり、多国間(マルチ)での取組みが重要であるとの考えは、共有している。日比間の関係強化とともに、アジアの安定と繁栄のため全力を尽くしたい。