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中国出張報告(青島・威海・天津)
1. 5月末の週末、中国の青島・威海・天津に出張した。青島から車で約3時間の威海市には、私の地元南あわじ市のY社が工場を操業し(写真①)、日本国内向けのブランドもののくつ下を生産している()。ちなみに、工場は24時間稼働で、ワーカー(工員)の給与は月15,000円くらいだそうだ。10年前に、市から土地・建物()を安く提供を受け、順調に生産を続けてきたが、威海市の経済成長に伴い、周辺地域の開発が進み()、最新の工場が周りに立ち並ぶようになった。そして、このY社の一角だけが古い建物群となり、取り残されてることとなってしまった。このため、この地区の再開発の話が持ち上がり、強制的に立ち退かされるのではないかとの疑惑が生じ、市幹部と交渉を行った次第である。
中国ではこの種の問題が頻発し、日本企業も大いに影響を受けている。誠実な対応を求めたい。
ところで、威海市はビーチに恵まれたリゾート地でもあり()、今後の発展が期待される。

2. 青島では、アサヒビール・住友化学・伊藤忠が出資して経営する牧場・農園の話を伺う。
高品質の牛乳・野菜()を生産しており、ビジネスの展開・課題などをお聞きした。牛乳は、毒入りミルク事件の影響もあり、220~240円/ℓと現地では高値ではあるにもかかわらず、売り上げが伸びてきているとのことだ。中国の富裕層・中間層は、安全・安心なもの、ブランド品などを求めている。日本の企業にもまだまだビジネスチャンスはあるはずだ。

3. 天津では、周恩来首相が卒業した、名門南開大学で講演。日本を研究している学者・学生が多く、大変有意義な意見交換であった()。副学長とも対談()。

4. 天津は、神戸との姉妹都市で、私にとって3回目の訪問である。かつては直轄市の中で最も発展が遅れていると言われていたが、今や「エコタウン特区」などで最も成長している都市である。中国全体で、発展地域が南から北へ移ってきている面もある。もちろん、北京では少なくなった、自転車もまだ多く見られる()が、旧租界地地区はカフェなどおしゃれなデートコースに変身しつつあり、多くの若者たちが写真撮影をしていた()。まさに、“ニュー・チャイナ”だ。

5. 天津から北京へは新幹線で移動した。その名も“和階号”()。時速340㎞を超え、天津-北京間をわずか30分ほどで走る。VIP用に、車でプラットホームに乗り付けられるようにもなっている()。こちらは“オールド・チャイナ”というか、中国らしいやり方だ。いずれにしても、中国は成長し、大きく変わろうとしている。国際社会の一員としての責務をしっかり果たしてもらえるよう、促していくのが日本の役割でもある。“戦略的互恵関係”の構築に向けて、しっかりと取り組んでいきたい。