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米国・南米出張(その④)ブラジル・リオ編~「第3回 児童の性的搾取に反対する世界会議」でスピーチ~
1.11月25日(火)14時半、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに到着。約16時間の空の旅だったが、結局3~4時間しか眠れず、さすがの私も疲れた。腰も痛い。しかし、この間、資料を徹底的に読み、スピーチ原稿も頭に入れたので、頭は「エネルギー・モード」から「児童虐待防止・モード」に完全に切り替わった。

2.夕方、在リオの日系企業の方々と早めの夕食会。少しだけ頭を「金融」に。世界的な金融危機でブラジル経済も影響を受けるが、来年も3%成長の見通しと言う。石油のペトロブラス社や鉱物資源のヴァーレ社(両社長とは、本年6月にお会いしている。6月29日活動報告参照)は、資源エネルギー価格が値下がりし、以前ほどではないが、いずれも堅調な経営を続けるようだ。ブラジルはBRICsの中で最も安定感があるのではないだろうか。

3.そして再び頭は「児童虐待防止」へ。「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」で日本政府代表としてスピーチである。第1回は、1996年に今回もご出席されたシルヴィア・スウェーデン王妃のご提唱のもと、ストックホルムで開かれた。日本はその場で、「世界の児童ポルノの80%の発信地である」などと取組みの遅れを指摘され、名誉挽回とばかりに2001年に横浜で第2回会議を主催したのである。
日本は、1999年に「児童ポルノ禁止法」を、2003年に「出会い系サイト規制法」を策定し、取組みを強化してきた。今国会においても「児童福祉法」改正を行い、虐待された児童の保護の強化や、里親制度の充実を実施することとしたところである。児童ポルノについて「単純所持」を禁ずるのが世界各国の多くの国の流れであるが、日本はまだ実施できていない。
与党は、大先輩の森山真弓元法務大臣が中心となって「単純保持」を禁止する児童ポルノ法の改正案を今国会に提出しているところであるが、今国会は、民主党はじめ野党が国会運営について対決姿勢を強めているため、本改正案が議論できないのは誠に残念である。

4.この世界大会に先立ち、今回の主催者である、ルーラ・ブラジル大統領(写真①)、同マリザ夫人()、ヴァヌーシ人権特別長官()、アモリン外務大臣()、ユニセフのベネマン事務総長(ブッシュ政権の元農務長官、)、この問題に取り組むNGOのECPAT(End Child Prostitution , Child Pornography And Trafficking in Children for Sexual Purposes)のアブエバ代表(フィリピン出身、)、そして、ブラジルのパトルス・アナニアス社会開発庁長官()、カンポス・ペルナンブコ州知事(右)、ルストーサ議員(左)と、約2時間もの間、大勢の関係者の方々と意見交換を行った。

5.夜8時半頃、会議が始まる。約3000人もの参加者で熱気に包まれる(、⑩)中、インドネシアとセネガルの児童のスピーチがあり、大きな拍手を呼ぶ。その後、ベネマン・ユニセフ事務総長に次いで、私よりスピーチ(その内容はこちら)。そして、アブエバ・ECPAT代表、シルヴィア王妃と続く。最後のルーラ大統領の演説は力が入り、大演説となった。
私はと言えば、国会の最終日を28日に控え、今晩中にブラジルを出なければならない。飛行機の時間を意識しながらも、ルーラ大統領とシルヴィア王妃の演説に聞き入った次第である。
日本も取り組みを強化しなければならない。是非この分野でも努力したい。
会議終了後、会場を飛び出し、空港に直行した。