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エネルギー関連施設を視察
1.12月5日(金)青森県のエネルギー関連施設を視察。まず、日本原燃(株)燃料サイクル施設を視察。気候変動への対応、そして、エネルギー価格の高騰などを背景に、原子力の位置付けが増々重要となる中で、現実の仕事の中でも、米印原子力協定や日露原子力協定など、政策テーマが増えているのも事実である。日本はまさに「原子力の平和利用のモデル国」として、その実績・考え方・姿勢をしっかりと世界にアピールし、世界の原子力政策において、リーダーシップを発揮しなければならない。

2.青森・六ヶ所村では、ウラン濃縮工場は92年3月に操業開始しており、使用済燃料の再処理工場も最終的は試験の段階で、来年2009年2月に竣工予定である(写真①)。
また、再処理されたウラン、プルトニウムの混合燃料(いわゆる「MOX燃料」:ウランにプルトニウムを5-9%混合したもの)工場は、2012年10月に竣工予定。2010年には、16-18基の原子力発電所でいわゆる「プルサーマル」(MOX燃料を軽水炉で利用すること)を実施する計画である。
この「プルサーマル」により、1~2割のウラン資源節約効果があり、さらに将来的には高速増殖炉(福井県敦賀市で「もんじゅ」が試験中)で約100倍利用効率が上がる。安全に、着実に進めたいものである。ちなみに、この再処理工場には、24時間365日、IAEA(国際原子力機関)の保障措置の一環として、2人の人員が現地に張りついている。

3.この日本原燃の施設のPRセンターの3Fに立つと、「むつ小川原石油備蓄」基地が見え()、さらにこの原燃の施設を取り囲むように、約78基の風力発電機がそびえ立っている()。さらに、ITER「国際熱核融合エネルギー研究センター」も建設中であった()。200テラFLOPS以上のスピードのスパコンも設置し、ITERの運転シミュレーションも実施、遠隔操作も想定している。まさに、日本のエネルギーの一大拠点となっている。

4.この風力発電事業を行っている「日本風力開発」も訪問した。日本全国に166基の風車を設置・運営、そのうちこの六ヶ所村に56基を設置・運営している()。
そして、この六ヶ所村が最も先駆的なのは、世界で初めて蓄電池を設置し()、出力を一定制御して送電していることである。このような事業こそ、世界中で求められているものと確信する。途上国でも検討している国は多い。是非、こうした日本の企業の技術・ノウハウこそ、移転していくことが望ましいのである。

5.その後、私の地元明石出身の細田敏和さんが社長をしている千代田テクノル青森事務所を訪問。千代田テクノルは、原子力の放射線計測などの機器を製造・販売しており、このむつ小川原原子団地に、国・県の支援を受けて立地した誘致企業である。細田社長はじめ皆さん元気で仕事をしておられた()。

6.その後、JRで青函トンネルを通り、北海道へ。

今回は、今後のエネルギー外交を展開する上で、大変参考になった視察であった。昨年は藪中三十二外務次官も訪問したという。今後、しっかりと外交政策に生かしてまいりたい。