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ブラジル・米国他南北アメリカ大陸出張報告(その⑨:ニカラグア編)~オルテガ大統領と面談。~
1.6月23日(火)23時30分サンタ・クルス発マイアミ行きに乗り込み、「マイアミまで寝るぞー」と意気込んだものの、給油のためか一旦パナマに着陸。真夜中に起こされた。次はニカラグアに行くのだから、ここで降ろしてくれれば、わざわざマイアミまで行かなくとも、ニカラグアはすぐ近くなのに、と思いつつ、機内で泣きわめく子供たちに悩まされながら、出発を待つ。

2.マイアミには朝8時半頃着。到着と同時に、午後2時出発のニカラグアの首都マナグア行きのアメリカン航空(AA)便が機材不良でキャンセルになったことを聞く。次の便は4時15分発のTAM(ブラジルの航空会社)でマイアミとマナグアは時差が2時間あるため、マナグア着は4時45分であるが、15時のニュネス国会議長との面談はもちろん、17時のオルテガ大統領との面談も間に合わない。夜9時すぎマイアミ発の飛行機でマイアミにまた戻る予定のため、わずか5時間ほどのニカラグア滞在となってしまうし、オルテガ大統領にも会えない可能性が高い。
これでは何のための訪問か分からないし、(ニカラグアに)行くかどうか大変迷ったが、米国メリーランド大学の同じゼミの同窓である在京大使アラーナ大使の顔が浮かび、大使との約束でもあり、訪問することを決めた。

3.ニカラグア・マナグア便をマイアミで待つ間、マイアミ滞在の日系企業の方々と意見交換(写真①)。
サブ・プライムローン問題による経済への影響の大きさ(マイアミは不動産投資が盛んなため、極めて大きな影響だという)、また中南米への統括拠点として立地している企業が多く、中南米における韓国企業との戦略の違い(宣伝広告費のかけ方の違い、支払いのサイトを120日間(通常30日)としているなど)、大統領選の見方など様々なご意見を伺う。今回の出張では、最後に米国・ワシントンD.C.でマケイン・オバマ両陣営の方々と意見交換する予定であるが、やはりワシントンD.C.から遠く離れた南部フロリダでの見方も参考になる。は、その時出されたフロリダらしいフルーツ。衛生面では、心配の多かった南米から、米国に戻ってほっと一安心である。

4.夕方、ニカラグアの首都マナグアに向かう。途中、機内から、17年前にレンタカーで訪れたマイアミから小島が連なる「キー・ウエスト」諸島が見えた()。高速道路でつながれ、最南端の島にはヘミングウェイゆかりのバーもある。さらに、キューバが見える(、⑤)。意外に山や農地が多いことに驚く。

5.いよいよニカラグアの首都マナグア。琵琶湖より3割くらい大きいというマナグア湖や富士山のような美しい山も見える()。中南米の街は、乾燥した無機質な感じのところが多い(リマやパナマ・シティ、サン・ホセなど)中で、縁の多さに驚く()。
空港から市内中心部に向かうが、1931年と1972年の2回の大地震で大きな被害が出たため、高いビルが全くないことに気づく。街も道路沿いから少し中をのぞくと、トタン板だけの住居も多く、中米最貧国の実態を目の当たりにする。それでも、他の中南米の国と比較して拳銃を使った強盗や殺人は少ないそうである。もちろん、乗り合いのタクシーでのかっぱらいなどはよくあるそうだが…。

6.さて、このわずか5時間滞在のニカラグア訪問の最大かつ唯一の(と言ってもいい)目的は、あのオルテガ大統領と面談することである。実は今回期せずして、中南米の三大反米政権の国、ベネズエラ(チャベス政権)、ボリビア(モラレス大統領)、このニカラグア(オルテガ政権)と訪問することとなった(あとは、エクアドルのコレア政権か)。しかし、ボリビアでもニカラグアでも日本との関係は重視している。このニカラグアは、先の国連改革の議論においても、日本の安保理常任理事国入りをいち早く支持表明してくれたし、国際捕鯨委員会(IWC)でも、日本の立場を配慮してくれている。こうした反米の国であっても、我が国が良好な関係を維持している国(アジアではミャンマーもよく似た状況である)については、日本が果たすべき役割があるはずである。日本外交の独自性・戦略性も考えるべき時が来ている。

7.いよいよ、オルテガ大統領と面談()。大統領が面談時間を変更してくれて、夜7時から会談である。話は日本の経済協力や、議員内閣制など様々な範囲に話が及ぶが、その時、今回はお会いできないとあきらめていたボクシングの元世界チャンピオン・アルグエジョ氏が現れたのである()。アルゲリーリョ氏は、私が学生時代にボクシングをしていた頃()、3階級制覇をなし遂げたチャンピオンであった。しかも、アマチュアボクサーにとっても大変参考になる防御にもすぐれたキレイなボクシングをする(ケンカの殴り合いではない)ボクサーであった。
このアルグエジョ氏は、今般マナグアの副市長を辞め、11月のマナグア市長選にオルテガ大統領のサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)から立候補するのである。アルグリーリョ氏は、(美しく見えたが実は汚水の垂れ流しの)マナグア湖の浄化、マナグア市内のごみ問題の解決などの公約を話された。私にとっては大きなサプライズでもあり、楽しいひとときであった()。

8.ニカラグアは、人口550万人で、資源も乏しい国であるが、地震やハリケーンの被害も多く、日本と共通点も多い、大変な親日国である。カリブ海側のリゾート開発や、ごま・コーヒー・落花生などに限られている農家の振興(縁は多い)など可能性を秘めた国である。JETRO出身の斎藤伸一大使やJICAの方々によると、真面目で信頼できる国民性だという。凶悪犯罪が少ないのもいい。私にとっては、在京のアラーナ大使やボクシングの縁もある。電力開発の課題も話された。是非ゆかりのある一人として協力したいと思う(は、空港からマナグア市内に向かう街並み)。