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ブラジル・米国他南北アメリカ大陸出張報告(その④:ブラジル編(4)サンパウロNo.1)~明石出身の兵庫県人会長、井戸知事とともに~
1.6月20日(金)夕方、リオからサンパウロへ約45分のフライト。現在、このリオ⇔サンパウロ間に新幹線を通す話が進んでいる。確かにこの400Kmのブラジル二大都市をつなぐ新幹線はニーズ(需要)があるだろう。現在、日本、ドイツ、フランスで規格や受注を争っており、今回の私たち随行団も、折にふれてルーラ大統領やジルマ・ロウセフ文官長に日本の新幹線の良さを売り込んだ。2014年にはサッカーのワールドカップも開かれる。その時までに新幹線を通したいようだ。

2.ところで、ブラジル社会の最大の問題は「治安」である。リオでは「ファベーラ」と呼ばれる貧民街(スラム)が約900あり(写真①)、人口の約30%が住むという。そして、この「ファベーラ」間の抗争が絶えず、子供たちが銃を構え、警察も手をつけれない状態と言う(警察や軍も裏でつながっているらしいが)。サンパウロでも、リオでも日本企業の人から「ホールドアップ」(襲われて身ぐるみはがされる)された経験を聞かされた。こんな治安の状態では、新幹線が通っても、隣にどんな人が座るかわからず、一体どのくらいの人が利用するのだろうか?との疑問を生じる。この国の発展は治安の改善状況に左右されるのだろう(は、真っ黒な川。リオは川の浄化も大きな課題である)。

3.サンパウロでは、居酒屋で日本企業の方々と一杯やったり()、商工会議所会頭と朝食を御一緒したり()しながら、午前中は、井戸兵庫県知事とともに、兵庫県人会会長のお店を伺う。何と「明石屋」という地元明石出身の尾西貞夫さんご夫妻()の店である。明石市大久保のご出身で、ブラジルに来てもう40年近くになるという。ブラジルのコーヒーや、コーヒー豆入りチョコレートなどお土産をたくさん買った。

4.午後は、田中角栄氏が建てられた「開拓先没者慰霊碑」()で黙とう・献花。そして、雨が降ったりやんだりしていることも重なり、交通渋滞に悩まされながら、16時半からの「移民100周年式典」に向かう。あの2月のカーニバル(リオのカーニバルが有名)の会場を使っての式典だが、皇太子殿下を一目見ようと、ものすごい数の人たちが参加しての式典である()。会場に入れない方も、フェンスの外で日の丸の旗を振っている()。太鼓あり、海上自衛隊の行進ありで大変盛り上がった(、⑩)。会場で井戸知事、尾西県人会会長はじめ兵庫県勢で一枚()。

5.夜は、次の野党(PSDB)側の大統領候補の一人、セーラ・サンパウロ州知事主催のレセプション()。州政府の迎賓館でのフランス料理はなかなかのものであったが、圧巻は、皇太子殿下がバイオリンを手にされ、ご演奏をご披露なされたことである。拍手喝さい、拍手の嵐である。そのお腕前にも驚かされたが、何より殿下の気さくなお人柄、ご姿勢に心打たれた。南米のあの口うるさい首脳たちが、来日のたびに天皇陛下や皇太子殿下に謁見を希望する理由がわかるような気がした瞬間である。

そして、旧友・イイホシ連邦下院議員と一杯。夜遅くまで歓談し、日伯関係の将来を語り合った。