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台湾出張・激戦、総統選レポート
1.15日(土)午後9時半に台北着。先着の井上信治・青年局長らと合流し、有名な「士林」地区の夜店・屋台へ(写真①)。米粉(ビーフン():約80円)、カキのソースお好み焼き(:約200円)、ニンニクたっぷりの名物・イカスープ、キノコかピーナッツかわからないアイスクリームなど、とても上品な雰囲気ではないけれど、安くて美味しく一同舌鼓を打つ。そして、この夜市にいると、沖縄やフィリピンを思い出す。地理的にも近いし、文化・文明はやはりつながっているんだなあ、とあらためて感心する。

2.16日(日)は、22日(土)に総統選の投票日を控え、最後の日曜日。民進党、国民党ともに、この「スーパー・サンデー」に100万人動員の大集会を計画している。
まず、10時に国民党の台北の選挙本部()。こちらは、馬英九候補がリードを保っているせいか、大変落ち着いた雰囲気。浮ついた感じは全くない。青年軍(部)の若者を訪問しても、雑誌を読んだりリラックスしている様子()。先の立法院(国会議員)選挙で大勝したせいか蘇起・選対副総幹事にも余裕が感じられる()。が、正直言ってやや緩んでいる雰囲気。集会の予定場所でも、悲壮感は全くない。思わず、山際大志郎代議士とポーズ()。
一方、午後訪問した民進党本部は、全く違う雰囲気。謝長廷候補が猛追していることもあり、ボランティアのような老若男女でごった返し()、まさに選挙の雰囲気。集会も、5万人とも7万人とも云われる支持者が集い()、謝候補の演説に盛り上がる。

3.時折りしも、チベット問題で「台湾もチベットのようになる」と、謝候補が独立意識をかきたてる。一般論として、国民党は中国との融和路線で経済界や北部の富裕層の多くが支持している。一方の民進党は、南部の小農民や中小事業者が支持母体で、中国からの独立志向が強い。国民党の蘇起さんによると、30才までと50才以上は民進党の支持者が多く、30~50才は国民党支持者が多いと言う。確かに、民進党の集会では、熱狂的な若者が活動していた(⑪)。コソボやチベットなどの動きもナショナリズムをかきたてるのであろう。

4.ただ、多くの台湾の人々は、中国との関係では「現状維持」を望んでおり、米国も日本も(特に武力行使による)急激な変化は望んでいない。現状でも、中国や台湾の貿易は急速に拡大しており、中国との経済交流は台湾の発展にも欠くことのできないものとなっている。我が国として、内政干渉することはできないが、どちらの政権になるとしても、中国との安定的な関係の維持・理性ある対応とともに、我が国とのさらなる経済交流の拡大を期待したい。
ちなみに、昼食は、国民党立法委員の李嘉進さんとご一緒した()。大変理性的で、筑波大で経済学を学んだ親日派である。
国民党の馬候補は、反日的だとも言われているが、こういう方々が馬候補の側にいてくれるのは大変心強い。是非今後とも連携したい。