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韓国出張報告
1.4月15日のニッシーブログでも書いたように、4月14日、15日と、韓国ソウルに出張した。いわゆる朝鮮通信使400周年を記念しての式典、当時の500人もの行列再現の行事が開かれ、日本代表・自民党代表の1人として出席するためである。

2.この通信使が始まった400年前の1607年は、豊臣秀吉が朝鮮半島を攻撃した直後であるにもかかわらず、徳川幕府は朝鮮半島との関係改善・交流を図り、朝鮮半島側もその要請に応え、毎回500人もの使節団を送り、交流を重ねてきたのである。

3.この両国の外交姿勢は、現代を生きる我々にとっても大変示唆に富む歴史である。今回、ハンナラ党の国会議員の方々を中心にじっくりと意見交換をすることができたが、日本との関係改善を望む声ばかりである。しかし、残念ながら、韓国の現ノムヒョン政権にとって、例えばFTA(自由貿易協定)についても、米国との交渉が終わり、「次は、EU、中国だ!」との勢いであり、日本のプライオリティ(優先順位)は低い。もちろん韓国内の経済が「両極化」(日本でいう「二極化」)しており、現代・サムソンといった限られた大企業は好調だが、中小企業は低迷しているために、日韓FTAにより、さらにこの中小企業の景況が一層悪くなるとの懸念が強いからである。しかし、FTAには、二国間の政治的な意味も大きい。アメリカは、貿易額は極めて小さいが、中東の重要国・ヨルダンとFTAを結んでいるのである。

4.韓国とのFTAについては、日本国内の農水産物市場において、どこまで市場を開放できるか、というわが国側の課題もあるが、両国がこの北東アジアの平和と発展のために、日韓関係が持つ政治的意味の重要性について、もう一度見つめ直す時に来ているのではないか。今年末には韓国の大統領選挙が行われるが、日本との関係強化が韓国の安定と発展に重要な意味を持つということについて、是非韓国国民の間にも理解が深まって欲しいと願う次第である。
  • 大使公邸で、韓国の国会議員の方々と前夜祭・晩餐会です。双方、上着を取ってかなり突っ込んだ議論を行いました。
  • 15日の朝7時には韓国の防衛研究所の元軍人の方と意見交換。北東アジアの平和構築について議論しました。
  • その後、メリーランド大学留学時代の同級生ご夫妻と(この日二度目の)朝食会。当時(15年前)新聞記者だった彼も、今やニュース専門・テレビ局の社長です。
  • ソウル市庁舎(右側)と宿泊したホテル。平日は大渋滞の都心部も日曜は穏やかです。
  • 李明博(イ・ミョンパク)元ソウル市長が、修復したソウル市街中心部の小川の水辺。憩いの場として市民に大人気だそうです。
  • 式典が開かれる会場「昌慶殿」の正面で、岸信夫・参議院議員と。
  • ちょうど桜や梅が満開の時でした。
  • 朝鮮通信使400周年記念式典に参列。右側は塩谷立・国土交通委員長、左側は岸信夫・参議院議員。
  • 当時の様子を再現しています。どこか、昨夏訪問したモンゴルの衣装も思い出します。
  • 当日に王様役を演じた俳優の方と、我々日本代表団で。右から塩谷立・国土交通委員長、河村建夫・朝鮮通信使議連会長、私、岸信夫・参議院議員。
  • 韓国の国会議員・朴振議員が再現朝鮮通信使の任命を受け、共に行列に参加しました。今年末の大統領候補の一人、李明博(イ・ミョンパク)元ソウル市長を支持するグループの若手リーダーの一人です。日本語、英語ともに堪能で、未来志向で中々の人物です。
  • 北朝鮮の開城(ケソン)の名物である餃子を作っている店の前を通りました。