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温家宝首相来日
1.温家宝首相が来日され、国会演説を行うなど精力的に活動された。国会演説は、全体としては二国間の発展を期待させる、未来志向の雰囲気が感じられた。しかし、一方で、中国のテレビ局の生放送も入り、日本の国民や国会議員に向かって演説するという意味に加えて、何度も大きく手を振り、自国の国民も大いに意識したものであった。(即ち台湾問題を大きく取り上げるとともに、歴史問題についてもしっかり指摘をした。)

2.また、東シナ海のガス田開発については、首脳間で「より広い範囲での共同開発」で合意がなされたものの、大きな進展はなく、課題が残った。さらに、温家宝首相が来日している、まさにこのタイミングで、中国海洋局は東シナ海でのガス生産開始を発表したのである。両首脳が、本件について意見を交わしている時にである。中国政府内の意見集約が進んでいないことも示唆する行動である。党の海洋政策の責任者の一人として引き続きしっかりと対応したい。(ちなみに衆議院を通過した「海洋基本法案」と「安全水域法案」は、19日に参議院国交委員会で審議の予定である。)

3.しかしながら、首脳会談では、環境・エネルギー協力、羽田‐上海(虹橋)直行便の就航、農業交流(日本からの米の輸出決定)など、多くの分野で協力関係・交流が深まることとなった。全体としては、日中関係が大きく進展したと申し上げたい。4月12日夜開催されたレセプションにおいても、両首脳が出席され、ものすごい人数(おそらく3000人!?)が参加していた。私も、娘の同級生のご両親(帰化されビジネスで成功しておられる)や、9月に神戸で開かれる世界華僑大会の実行委員長である蒋曉松さん(日本の国会議員に当たる中国政治協商会議のメンバー)の御家族も来られていた。また、巨大な中国市場でビジネスを展開(又は計画)している日本のベンチャー企業の方々も大勢参加していた。「政冷経熱」から「政熱経熱」に変わり、まさしく今回の訪日は「氷を溶かす旅」であり、大きな関係進展を予感させるレセプションであった。

写真は日本でビジネスをしておられる方々と。