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カンボジア出張(その②)<12/29(その①)から続く>
4.ところで、今回カンボジアに初めての訪問であったが、想像とはかなり違った。予想以上に活気があり、発展しているのである。アンコール・ワットもインドのヒンズー文化の影響を強く受けているように、どことなくインドの街並みにも似ており(即ち、小さな商店が無数に立ち並ぶ)、また、ベトナムや他の東南アジアの国々と同じように、街なかはバイクの行列である。タイ・インドが浮上し、ベトナムがあとに続いているように、必ずカンボジアも飛躍する時が来るに違いない。
5.既に、カンボジアは年率8~10%の成長を続けている。カンボジアの経済は、農業がGDPの3割強を占め、繊維産業(縫製)と観光が各々15%、5%程度で、続く。米国経済が好調なことを受けて米国向けの繊維産業が好調なのと、アンコール・ワットへの観光客が急増しているのである。数年前まで30万人くらいであったのが、近年100万人に達し、この1~2年で200万人に届きそうな勢いである。正に「世界遺産」の効果絶大である。このように「世界遺産」は途上国の観光支援には極めて効果がある。今や、アンコール・ワット観光の拠点となる都市。シェムリアップには、韓国からの直行便が飛び、韓国人観光客も激増している。我々が訪問した際にも韓国人ツアーがたくさんいた。そして、もともとの領主国・フランスをはじめヨーロッパの観光客も多い。さらに、これはすごく驚いたことであるが、プノンペンやシェムリアップでは、ドルが当たり前のように流通しているのである。確かに現地通貨のリエルは1ドル=4000リエル程度、即ち1円=約30リエルであり、両替するとリエル札で財布が大きく膨らみ、まるで大金持ちになったような気分になる(もちろん、ガソリン代の表示などはリエルでなされていた)。つまり。米国経済と極めて密接な関係にあり、米国人の観光客も多いのである。
6.今回、プノンペン市内を車で移動する際、バイクの修理屋や自家発電用の機械の販売店が多いことに気がついた。そして、このことは人民党と連立与党を組むフンセンシンペック党の新党首・プットレアズマイ首相(シアヌーク前国王の娘婿)との会談の時にも申し上げたが、「繊維産業に続く産業として、機械産業などのモノづくりが可能性が大きいのではないか」と感じた。即ち、エンジニアリングの人材を育てることが発展の契機となるのではないか。そして、このエンジニアリングは日本の最も得意とする分野である。私としても、小学校づくりの支援の次のステップとして、エンジニアの育成プロジェクトの手伝いを考えたい。ちなみに、このプットレアズメイ党首は54才である。どの国でも世代交代が進んできている。私も心して来年に臨みたい。
7.この季節、カンボジアは乾季である。4月くらいまで雨が全く降らず、2月からは暑くなるそうで、この12月~1月が年間で最も過ごしやすいシーズンだそうである。しかし、この季節は雨が降らないため、水辺の近くでしか農作物はできない。したがって雨季の夏に稲作を行い、ちょうどこの12月の今頃が稲苅りの終わり頃であった。アジアの途上国に来ていつも思うが、確かに所得は低いが、土地が肥えており、一定の農作物が取れるため、飢えることはない。食べ物に関する限り、アフリカとは全く異なり、基本的に豊かなのである。つくづくアジアは幸せだと思うし、その中でも日本は、年中通じて雨が降り、私の地元・淡路島では三毛作、四毛作もできる。日本の強さの源泉はこんなところにもあるのであり、やはり、一次産業はしっかりと維持しなければならないのである。
次回(その③)は新年1月2日アップ予定です。
5.既に、カンボジアは年率8~10%の成長を続けている。カンボジアの経済は、農業がGDPの3割強を占め、繊維産業(縫製)と観光が各々15%、5%程度で、続く。米国経済が好調なことを受けて米国向けの繊維産業が好調なのと、アンコール・ワットへの観光客が急増しているのである。数年前まで30万人くらいであったのが、近年100万人に達し、この1~2年で200万人に届きそうな勢いである。正に「世界遺産」の効果絶大である。このように「世界遺産」は途上国の観光支援には極めて効果がある。今や、アンコール・ワット観光の拠点となる都市。シェムリアップには、韓国からの直行便が飛び、韓国人観光客も激増している。我々が訪問した際にも韓国人ツアーがたくさんいた。そして、もともとの領主国・フランスをはじめヨーロッパの観光客も多い。さらに、これはすごく驚いたことであるが、プノンペンやシェムリアップでは、ドルが当たり前のように流通しているのである。確かに現地通貨のリエルは1ドル=4000リエル程度、即ち1円=約30リエルであり、両替するとリエル札で財布が大きく膨らみ、まるで大金持ちになったような気分になる(もちろん、ガソリン代の表示などはリエルでなされていた)。つまり。米国経済と極めて密接な関係にあり、米国人の観光客も多いのである。
6.今回、プノンペン市内を車で移動する際、バイクの修理屋や自家発電用の機械の販売店が多いことに気がついた。そして、このことは人民党と連立与党を組むフンセンシンペック党の新党首・プットレアズマイ首相(シアヌーク前国王の娘婿)との会談の時にも申し上げたが、「繊維産業に続く産業として、機械産業などのモノづくりが可能性が大きいのではないか」と感じた。即ち、エンジニアリングの人材を育てることが発展の契機となるのではないか。そして、このエンジニアリングは日本の最も得意とする分野である。私としても、小学校づくりの支援の次のステップとして、エンジニアの育成プロジェクトの手伝いを考えたい。ちなみに、このプットレアズメイ党首は54才である。どの国でも世代交代が進んできている。私も心して来年に臨みたい。
7.この季節、カンボジアは乾季である。4月くらいまで雨が全く降らず、2月からは暑くなるそうで、この12月~1月が年間で最も過ごしやすいシーズンだそうである。しかし、この季節は雨が降らないため、水辺の近くでしか農作物はできない。したがって雨季の夏に稲作を行い、ちょうどこの12月の今頃が稲苅りの終わり頃であった。アジアの途上国に来ていつも思うが、確かに所得は低いが、土地が肥えており、一定の農作物が取れるため、飢えることはない。食べ物に関する限り、アフリカとは全く異なり、基本的に豊かなのである。つくづくアジアは幸せだと思うし、その中でも日本は、年中通じて雨が降り、私の地元・淡路島では三毛作、四毛作もできる。日本の強さの源泉はこんなところにもあるのであり、やはり、一次産業はしっかりと維持しなければならないのである。
次回(その③)は新年1月2日アップ予定です。