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再び中国に出張!~ジャーナリスト、学生と意見交換してきました~
1.26日(日)の朝から約20人の中国各紙(人民日報、新華通信社、中国新聞社等)の日本担当責任者・記者、日本研究の大学教授と意見交換を行った。そして午後には、天津市にある南開大学(周恩来・元首相の出身校、温家宝・現首相もこの附属中学を卒業している)の経済学部で、約100人の学生・研究者に対して、「日本経済と日中関係の将来」について講演し、質疑応答では山のように質問を受けた。予想以上に日本に対する関心、特に若い世代には前向きな関心が多いことを再認識した次第である。

2. 私からは「過去の歴史研究も大事だが、より大事なことは『未来のビジョンを共有できるかどうか』。お互い言うべきことははっきり言い合う対話が重要。特に若い世代の交流を促進すべき。」と話したところ、ほとんどの人が賛同。

3. いくつか気付いたことを記すと、
① 南開大学の学生の約半分は、日本に行ってみたい、日本語を勉強したいと言っていた(もちろん、『英語を勉強したい人は?』の問いには、ほとんどの学生が手を挙げたが)。日本への関心は高い。反日デモについては全員知っていたが、必ずしも同調せず。
② 学生のうち、「楽天」「ソフトバンク」を知っていたのは2~3人だけだった。
③ 「日本は軍国主義に向かっていない」ことについては全員が「十分わかっている」との反応。そして全員が「報道の自由」がないことを認める。
④ 年配の研究者と記者の二人だけが靖国参拝を取り上げ、激しい論争になった。
⑤ 清華大学の教授は「日本の広島・原爆博物館に行くと、『戦争はいやだ、二度と起こしてはならない』という気になるが、南京博物館に行くと、『戦争を起こしたい、日本に対して』という気になる」と率直に話してくれた。中国のやり方も改善しなければならない、という気持ちがにじみでていた。

4.夕方には、天津市の幹部と意見交換を行ったが、他の主要都市に比べて天津は発展の遅れが目立ち(未だに自転車も多いし、1000万人都市としては高層ビルも少ない)、焦りが感じられた。そんな中で、トヨタの工場は存在感があり、中国で最初の姉妹都市・神戸との関係よりも愛知県との関係を深めており、留学生の交換も頻繁に行っているとのことである。天津には有名な外国語学院があり、また製薬メーカーもあることから、このあたりをテーマに神戸市との関係の再構築も考えてみたい。また、天津市の現市長は、前中国人民銀行総裁であり、遅れている天津の経済発展に対する中央政府の意欲もうかがえる(今回はアジア・ヨーロッパ財務大臣会合(ASEM)と重なったため、意見交換することができなかった)。親日的な主要都市の一つとして、今後の関係を大事にしたい。