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円高を是正すべき。合わせて円の国際化を。
1.円高が進み、1ドル85円から87円で推移している。 金融システムをはじめ、欧州経済の不安が強い中、米国経済の先行きにも不透明感が高まり、消去法で日本の国債、円が買われているのである。中国元が少しずつ切りあがっている中、同じアジア通貨の円がツレ高している面もある。

2.地元の企業、特に中小企業の方々と話をしていても、この円高に大変苦しんでいる。ただでさえ、アジアの国々に比べ人件費が何倍も高い。極めて厳しいコスト削減を行わないととても競争できないが、これももう限界を超えている。

3.そこで提案。一つは、さらなる金融緩和と介入により、せめて1ドル95円から100円程度までできないものか。
 第2に、そのために、米国・欧州・中国の通貨当局との間で政策協議を行えないものか。かつて1985年の「プラザ合意」により、円が1ドル240円から120円程度まで切りあがったように、言わば「平成のプラザ合意」で為替調整の協調を行うべきである。
 第3に、この機会に円を国際化できないものか、という提案である。アジア各国において、円建ての債券を発行し、その流通市場を整備・強化し、決済通貨としての円の利用を広めていくべきではないか。こういう危機的状況で円が買われているということは、まだ、円、即ち日本経済には、一定の信頼があるのである。この機会にこそ、円の利用を広め、日本企業の為替リスクを軽減していくことも、同時に考えていくべきである。欧米に比べて競争力がある金融部門の強化にもつながるはずである。

4.いずれにしても、日本の製造業にとって大変な危機である。空洞化が加速化している。将来をにらんで、確かな政策が求められている。国内政治で足を引っ張り合っている余裕はない。国会議員は、国益の実現のため、全ての力を結集し、スピーディーに政策を立案・実行しなければならない。