BLOG
「日本の誇る環境技術」
1.2月1日(日)、早起き会家族の集い、自衛隊父兄会明石支部新年会。そして、洲本市と明石市の消防団で叙勲受章の祝賀会。洲本市は米山昇団長、明石市は木下丈夫副団長。お二人とも42年、51年の長きにわたっての消防団活動である。「消防団」は、世界に類を見ない日本独自のボランティア組織で、まさに世界に誇れるものである。この消防団活動、特に幹部としての功績を高く評価されてのご受章である。この間、阪神淡路大震災を経験し、大型台風も何度となく来襲した。大変なご苦労があったに違いない。心から敬意を表したい。そして、これからもお元気でそのご経験や知識を是非、後に続く我々の世代にご教示、ご指導頂きたいと思う。
2.2日(月)、今日は参議院本会議のため、朝から福島県いわき市勿来(なこそ)へ。地球温暖化対策の一つとして、世界の注目を集めている「石炭ガス化複合発電」(IGCC)と「二酸化炭素回収貯蔵技術」(CCS)の現地視察である。各国の環境担当の政治家と議論する際に、世界に誇る日本の技術としてこの二つの技術をよく紹介するが、まだ実際のものを見ていなかったため、この機会に見ておきたかったのである。常に「自分の目で」「現場主義」が私のモットーだ。
3.まずIGCC(石炭ガス化複合発電)は、一般の石炭火力発電に適さない「亜瀝青炭」をガス化し、その際生じる蒸気を活用した「蒸気タービン」と「ガスタービン」を複合した発電(写真:右後が「ガス化炉」、左後が「複合発電設備」)で、従来の石炭火力の発電効率が42%程度であるに対して、IGCCの場合48%程度まで向上する。これにより、CO2が約2割削減できるのである。しかも、現在石炭火力用の石炭(「瀝青炭」)は約70%を豪州から輸入しているが、「亜瀝青炭」を多く産出する米国やインドネシア、中国からの輸入も期待できる。さらに、こうした国々での発電に日本が協力することにより、世界全体のCO2排出を削減することができるのである。
4.それでも排出されるCO2について、CCSは、回収し貯蔵しようという技術である。IGCCの場合、ガス燃焼後ではなく、石炭ガス化の段階でCO2を分離・回収することによりさらに回収効率を上げ、それをパイプラインで、沖合の廃坑となったガス田(海底約2000mの空洞)に貯蔵する。しかも、その貯蔵場所の近くで将来新たなガス田の開発も計画されており、開発当初はガスは自然に噴き出すが、将来はCO2を注入することにより、ガスの生産効率も上げることができるのである。
5.ただ、石炭火力を石油並みのCO2排出量に効率化しよう、というIGCCと、石油や天然ガスの生産向上にもつなげようとするCCSで、電力業界と、石油業界などの間で、その取り組みに対する若干の温度差も感じられる。しかもCCSを取り入れることにより、そのために一部の発電電力を消費しなければならず、1%でも効率よくしようとするIGCCからすると、CCSは若干余計なことにもなりかねない。双方の技術が最大限の相乗効果を生み、CO2排出削減につながるよう、さらなる連携、工夫を期待したい。
6.夜は、外務省の人権、軍縮担当の幹部との勉強会を兼ねた食事会、フランス大使との食事会など会合が3つ。結局、帰宅は10時半だ。
2.2日(月)、今日は参議院本会議のため、朝から福島県いわき市勿来(なこそ)へ。地球温暖化対策の一つとして、世界の注目を集めている「石炭ガス化複合発電」(IGCC)と「二酸化炭素回収貯蔵技術」(CCS)の現地視察である。各国の環境担当の政治家と議論する際に、世界に誇る日本の技術としてこの二つの技術をよく紹介するが、まだ実際のものを見ていなかったため、この機会に見ておきたかったのである。常に「自分の目で」「現場主義」が私のモットーだ。
3.まずIGCC(石炭ガス化複合発電)は、一般の石炭火力発電に適さない「亜瀝青炭」をガス化し、その際生じる蒸気を活用した「蒸気タービン」と「ガスタービン」を複合した発電(写真:右後が「ガス化炉」、左後が「複合発電設備」)で、従来の石炭火力の発電効率が42%程度であるに対して、IGCCの場合48%程度まで向上する。これにより、CO2が約2割削減できるのである。しかも、現在石炭火力用の石炭(「瀝青炭」)は約70%を豪州から輸入しているが、「亜瀝青炭」を多く産出する米国やインドネシア、中国からの輸入も期待できる。さらに、こうした国々での発電に日本が協力することにより、世界全体のCO2排出を削減することができるのである。
4.それでも排出されるCO2について、CCSは、回収し貯蔵しようという技術である。IGCCの場合、ガス燃焼後ではなく、石炭ガス化の段階でCO2を分離・回収することによりさらに回収効率を上げ、それをパイプラインで、沖合の廃坑となったガス田(海底約2000mの空洞)に貯蔵する。しかも、その貯蔵場所の近くで将来新たなガス田の開発も計画されており、開発当初はガスは自然に噴き出すが、将来はCO2を注入することにより、ガスの生産効率も上げることができるのである。
5.ただ、石炭火力を石油並みのCO2排出量に効率化しよう、というIGCCと、石油や天然ガスの生産向上にもつなげようとするCCSで、電力業界と、石油業界などの間で、その取り組みに対する若干の温度差も感じられる。しかもCCSを取り入れることにより、そのために一部の発電電力を消費しなければならず、1%でも効率よくしようとするIGCCからすると、CCSは若干余計なことにもなりかねない。双方の技術が最大限の相乗効果を生み、CO2排出削減につながるよう、さらなる連携、工夫を期待したい。
6.夜は、外務省の人権、軍縮担当の幹部との勉強会を兼ねた食事会、フランス大使との食事会など会合が3つ。結局、帰宅は10時半だ。