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「介護制度」を巡って議論活発化
1.夏の間も、党本部では、社会保障制度の改善に向けて様々な議論が行われる。私も、外務政務官としての仕事をこなす合い間には、党内の議論にできるだけ参加することとしている。

2.この日は、かねてよりの懸案となっている療養型病床の削減問題である。これは、23万床ある医療型(回復期リハビリテーション病棟2万床を除く)と12万床ある介護型について、①医療行為が必要な方と、②老人保健施設で夜間対応や看取り対応を強化した施設で対応すべき方に分け、②の方のための施設として介護型から老健施設への転換を進め、療養型病床の総数を15万床まで削減しよう、という試算であった。確かに、医療行為を必要としないのに療養型病床に入る、いわゆる「社会的入院」も見られ、医療費の増加の一因となっていることは事実であるが、現実には、多くの方が介護を必要とし、また医療行為を必要としているのである。それなのに20万床もの削減はインパクトが大きく、私の地元の集会でも「『介護難民』が増える」ことの心配の声が数多く寄せられていた。

3.この日の会合では、厚労省から、国としての当面の目標数は、都道府県の数字を積み上げると、13万床削減の22万床になる、との見通しが示された。ようやく現実的な対応になってきたものと思う。それでも、医療費削減に対する危惧が数多く表明された。私の持論である「小さな政府」は、経済活動に対する規制は最小限とし、また公務員の関与を出来るだけ小さくすべき、との考えであるが、社会保障については「温かい制度」が必要であり、国民の皆さんに安心してもらえるよう、必要な予算を出来る限り投入することが大事である(そして、その予算を確保するためにも、経済成長は必要なのである)。現に、日本の医療費は、GDP比では先進国の中での低い(第20位)方であり、かつ、高齢化比率が唯一20%を超える国であることを考えれば、決して医療費は高くない(多くない)と考えられる。しかも、世界一の長寿国となっているのである。「3時間待って3分診療」といったことは改めるべく、制度をより効率的なものとすることは大切であるが、無理やり医療費を削減するというやり方は、もはや限界なのである。医療を必要とする方々に、医療サービスを的確に提供できるように、今一度、日本の「国民皆保険制度」の良さをかみしめながら、制度設計を行っていくことが大切である。

写真は、CS放送・朝日ニュースターのテレビ出演で、キャスターの星浩さんと。