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兵庫県建築士事務所協会明石支部の皆さんと意見交換
1. 姉歯事件などの建築偽装を受けての、昨年の建築基準法の改正は、建築確認の大幅な遅滞を招き、マンションなどの建設の遅れをもたらした。
現場の混乱はようやく落ち着いてきた感があるが、ここに来て、原材料高に伴う景気の停滞が顕著になっており、このような現状を踏まえて、地元の建築士の皆さんと意見交換を行ったものである。

2. 建築士の皆さんからは、
①軽微な変更は認める、と改善されるのは有難いが、その都度、様式が変わる。そう何度も変更されても中小の事務所では対応できない。
②軽微な変更でもまた全ての書面を出し直すのは、相当な労力だし、膨大な紙の無駄。
③国土交通省は学者の意見ばかり聞いて、現場の声を聞いてないのではないか。
④大臣認定のソフトにしても価格が高いし、大手しか使えない。しかも、一種類しかないのはおかしい。
⑤国の政策の方針として、「大手企業を優先」の姿勢が感じられてならない。住宅メーカーにしても「型式認定」の仕組みは、明らかに大手企業優先ではないか。
⑥構造チェックできる人材が決定的に不足している。学校の耐震化を進めると言って、予算をいくら増やしても、対応できる人材の絶対数が足らない。
⑦地元の街づくりに、我々の声が反映されない。地域地域の実情をよく知る者として、うまく活用してほしい。地域住民の身近な存在として、気軽に相談してもらえる仕組みを考えたい。

などなど、予定された時間をオーバーして、たくさんのご意見、ご不満を頂いた。国が大手企業だけを見て政策を決めているわけではない、日本の経済社会は、地域の中小企業が支えている、ということは強調したが、この建築行政にしても、先日の福祉行政にしても、「コロコロ変わる」とのご批判はもっともである。中長期的な視点で腰をすえた政策立案ではなく、目先の対応に追われた政策決定・変更に陥ってしまっているのである。現場の声、国民の声を聞く立場の我々政治家が大きな方向性を示さなければならない。頂いたご意見の一つ一つについて、行政の考え方・やり方をしっかり検討したい。