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「施設介護を考える。」
1. 7月5日(土)、明石市内の福祉施設の皆さんと意見交換を行った。(写真)
国の財政が厳しい中で、社会保障費についても毎年2200億円の削減が続いており、福祉施設の皆さんも大変厳しい経営環境にある。

2. まず多くの皆さんが言われたのは、人材確保の難しさである。介護従事者の報酬が低く、若い人が定着しないという。使命感をもって続けてくれても、とても結婚し家族を持てる賃金水準ではないのである。来年4月の介護報酬の改定に向けて、しっかりと財源を確保してまいりたい。また、市町村毎に報酬基準を決めるのであるが、物価水準や人件費水準などを勘定して、市町村をいくつかに分離し(特甲、甲、乙、その他)、その区分毎に基準報酬を決めていくのである。実は、明石市は神戸市と隣接しながら、神戸市は、「特甲地」、明石は「乙地」として、基準に差がある(明石が低く設定されている)。明石の福祉施設の職員や入居者は神戸の方も多く、また明石市は神戸市の西区や北区と比べても、物価水準は変わらないはずなのに、との思いが強い。よく似た状況の三田市などとも連携し、是非改善に向けて努力したい。

3. さらに、外国人労働者の受け入れについても多くの人がコメントされ、賛否は分かれたが、私は、日本の若手労働者の絶対数が減少する中で、受け入れを拡大せざるを得ないと考えている。インドネシアから300人(うち、介護では131名)の受け入れが決定したが、この程度では、話にならないものと思う。将来的には、何万人の単位で受け入れが必要となってくるだろう。世界中で“良い”移民の“取り合い競争”のような状況が生じており「日本としても、開かれた国」にならないと、世界から取り残されてしまいかねない。将来を見据えた政策が急務である。

4. いずれにしても福祉施設は大変厳しい経営環境にある。特別会計に隠された積立金(いわゆる“埋蔵金”)もすべて明らかにし、その活用も視野に、必要な財源の確保を図ることが必要である。
国民の皆さんが、老後、施設であろうと、在宅であろうと、各々の希望に応じつつ、安心して介護サービスを受けれるよう、しっかりと体制を整備していきたいと思う。今後は、8月の概算要求、年末の政府予算案決定、来年1月以降の通常国会での予算審議、4月の介護報酬決定と続くが、節目節目で、全力を尽したい。