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今こそ党利党略を超えて、国家・国民のために ~日銀総裁同意人事に思う~
1.政治が混迷している。日銀総裁は決まらないし、道路特定財源を巡る議論も進展がない。世界の金融が混乱し、世界経済の先行きが極めて不透明になっている中で、日本の国のカジ取りが定まらず、世界の中での存在感(プレゼンス)はどんどん低下している。株価は大幅に下落し、時価総額は今年になって130兆円も減少、これだけの富が失われているのである。
与野党ともに、政局をにらみ、権力闘争に走っている。今こそ、党利党略を乗り越え、国家・国民のために、スピード感を持って議論・協議をすべき時である。

2.英国の経済雑誌・エコノミスト誌は「JAPAiN」と、日本を文字って「日本の痛み」即ち「日本病」と皮肉った。政治が機能していない、との厳しい指摘である。
与党も野党も責任が重い。野党第一党・民主党が「財務省出身の総裁はダメだ」と言っているのに、政府・与党は何故また財務次官経験者を日銀総裁に推すのか。もちろん、民主党が主張している「財政と金融の分離」もどういう意味なのか分らない。むしろこういう経済・金融の危機的状況だから、「財政と金融」が連携することも求められている。しかも役所出身だからと言って、すべて否定できるのか。自分自身が官僚出身だから声を大きくするわけではないが、すべては「人による」のである。官僚の権限を守りしがみつく人もいれば、「私」を捨てて「国のため国民のため」働く官僚もいる。
しかし、参議院では過半数ないのだから、政府・与党ももう少し知恵を出せないものなのか、と思う。例えば、民主党が同意している白川方明副総裁や、西村清彦副総裁のどちらかを総裁候補にできなかったのか。
日銀出身者と財務省出身者が交代に日銀総裁を務める「不文律」や既成の「秩序」にこだわりすぎていないか。今や「年齢」も関係ない。何も財務省に配慮する必要もない。金融に関する見識と実行力を見て「人物本位」で判断すべきである。
過去の秩序ややり方は、もはや通用しなくなっているのが現実である。政治だけが変われないのである。

3.いずれにしても、民主党内にも、今の主流派のやり方に不満を持つ若手の良識派・改革派がいる。何とか連携できないか、と模索を続けている。
北川正恭・元三重県知事や、東国原英夫・宮崎県知事など、地方の首長が中心となって設立された超党派の「せんたく」(政権「選択」と、政治の「洗濯」を兼ねた名称)のメンバーに私も入れて頂いたが、この「せんたく」や、私が事務局長を務めて近々発足予定の(前原誠司・衆議院議員も世話人を務める)自民・公明・民主の「若手の安全保障勉強会」などの場を通じて、超党派の政策醸成を探っていきたい。党を超えて改革派を結集し、この国の平和と繁栄をしっかり見すえ、国民・国益を第一に考えた政策を提案・実現してまいりたい。