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対中国ODAについて
1.最近、中国に対するODA(経済協力)を削減・終了すべき、との議論が盛んである。急速な経済成長や先般の潜水艦の我が国領海への侵反事件などが背景にあるが、私自身も見直すべき時期が来ていると考えている。
2.イランにアザデガンいう油田がある。欧米の企業がイランの多くの油田を開発 (権利を取得)する中、残された数少ない油田であり、アメリカがイランの核開発を懸念するにもかかわらず、我が国としても油田のその権利取得に努力しているところであった。そこへ中国も意欲を示し、何とODAを使ってテヘランの地下鉄を整備し交渉を有利に進めようとしたのである。日本から中国にODAでお金を渡し、その中国がイランにODAを供与し、イランの油田の権利を日本と中国が争う、こんな構図である。お金に色はついていないが、ライバルに資金を送っているようなものである。(また、アフリカの小さな産油国・ガボンでも、中国は30億円近いODAを活用して国会議事堂の建設に協力している。この意味で、中国はODAを国際戦略の中で実に有効に活用している。)
3.もちろん中国の一人当たりGDPは未だ1000ドル(約10万円)/年であ り、人口の大半が貧しい生活をしていることは間違いない。また、大気汚染など の環境対策も行わないと我が国に酸性雨をもたらす恐れもあり、このような分野では、一定の協力が必要であることも理解できる。
4.中国に対するODAはこれまでも減少傾向にあり、環境分野などに特化してき ているが、上記のような視点に立てば、その規模、範囲ともに限定していく方向 で議論すべき時に来ていると思う。中国に感謝されるよう、また、我が国の国益にも資する形で、ODAの在り方を戦略的にしっかりと考えるべき時である。
衆議院議員 西村やすとし
2.イランにアザデガンいう油田がある。欧米の企業がイランの多くの油田を開発 (権利を取得)する中、残された数少ない油田であり、アメリカがイランの核開発を懸念するにもかかわらず、我が国としても油田のその権利取得に努力しているところであった。そこへ中国も意欲を示し、何とODAを使ってテヘランの地下鉄を整備し交渉を有利に進めようとしたのである。日本から中国にODAでお金を渡し、その中国がイランにODAを供与し、イランの油田の権利を日本と中国が争う、こんな構図である。お金に色はついていないが、ライバルに資金を送っているようなものである。(また、アフリカの小さな産油国・ガボンでも、中国は30億円近いODAを活用して国会議事堂の建設に協力している。この意味で、中国はODAを国際戦略の中で実に有効に活用している。)
3.もちろん中国の一人当たりGDPは未だ1000ドル(約10万円)/年であ り、人口の大半が貧しい生活をしていることは間違いない。また、大気汚染など の環境対策も行わないと我が国に酸性雨をもたらす恐れもあり、このような分野では、一定の協力が必要であることも理解できる。
4.中国に対するODAはこれまでも減少傾向にあり、環境分野などに特化してき ているが、上記のような視点に立てば、その規模、範囲ともに限定していく方向 で議論すべき時に来ていると思う。中国に感謝されるよう、また、我が国の国益にも資する形で、ODAの在り方を戦略的にしっかりと考えるべき時である。
衆議院議員 西村やすとし