1．何人もの閣僚、そして民主党の菅代表、鳩山前代表など、与野党双方の幹部が国民年金未払いであることが判明し、年金法案の審議まっただ中において、大問題となっている。

2．私自身は、未納期間なく来年3月までの支払いを済ましている(1年間の前払いをすれば、約3，000円得)が、確かに現行制度には、次のような問題点がある。
　　　　　　
①年金制度の変更の手続きは、（私のケースでもそうであったが）市役所に行かなければならないが、保険料の納付については、社会保険事務所に行かなければならず、ワンストップサービス（一箇所に行けばすべての手続きが済む）になっていない。
②厚生年金から国民年金に切り換える場合に、新たな請求が来ないケースがある。また、つい払い忘れても催促がないことがある。そして、そのまま2年間経ってしまうと、それ以前の保険料を払うことができない。
③国会議員の場合、大臣や政務官などに就任した際、医療保険は公務員共済に切り換えなければならないが、年金については切り換わらず、切り換わるものと勘違いするケースも多い。

3．このような現実を見るにつけ、次の提案をしたい。

①自宅から、ネット上で自分の年金番号（あるいは住基ネット番号）を打ち込み暗証番号等により本人確認ができれば、自分の年金の状況、即ち、加入状況、支払い状況、給付の見込み（何年後いくらの給付があるか）など、確認できるようにする。(セキュリティについて反論があるかもしれないが、既に、自宅から銀行振込などのネットバンキングや株式売買（ネットトレーディング）が盛んに行われている状況を見れば、何ら難しいことではない。)
②そして、国民年金加入の手続きや納付手続きもネット上でできるようにする。
③また、窓口を利用する方に対しては、手続きと納付のワンストップサービスを行う。（市役所が各地の社会保険事務所の事務を代行するのも一案である。）請求、催促についてもしかるべきタイミング、回数で実施する。
④そして、将来的には、各制度の一元化を図り、基礎年金については、税金ですべて賄うことの可能性も検討する。（「未払い問題」がなくなる究極の方法である。）

4．いずれにしても、今回の「未払い問題」により、結果的に国民年金制度の不備な点が明らかになり、また、国民の年金意識が高まったのも事実である。（各地の社会保険事務所には、問い合わせの人たちが殺到しているようである。）「禍転じて福となす」のとおり、この意識が高まった今こそ、将来に向けてしっかりとした年金制度を議論するチャンスである。当面の対策としての法案成立を急ぐとともに、将来の課題についても、しっかりと議論をしたい


衆議院議員　西村やすとし