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イラク・サマーワの状況について<国会レポート(16)>
"1.防衛庁の幹部と若手議員で、イラクの自衛隊の活動状況等について 意見交換を行った。
 
2.イラクの北部や首都バクダット周辺では、連日銃声が聞こえるなど 治安は悪化しているが、南部のサマーワは、いわば田舎の地方都市 であり、治安は極めて良好。 
 さらに、サマーワの治安を担っているオランダ軍が、現地の住民からの情報を細やかに入手するなど、キメ細かな体制により治安の安定に貢献している。

3.さらに、現地住民からすれば、そのオランダ軍より自衛隊の方が、住民と「同じ視線」に立って行動してくれる、とのことで、日本に 対する住民の感情が極めて良い。これは、阪神・淡路大震災における災害救援活動などの経験が活かされているものと考えられる。

4.しかし、自衛隊の支援活動は、あくまで民間による本格的な復興が 立ち上がるまでの""つなぎ""のいわば""応急措置""であり、例えば、給水活動についても、現地のニーズは2~3万t/日あるのに対し、 自衛隊の能力は、70万~80万t/日であり、ニーズの30分の1程度 しか対応できていない。また、学校の復旧活動についても、200~ 数百校もの現地復旧ニーズがあるのに対し、数校しか対応できていな い。そして、現地の強い要望である現地住民の雇用拡大についても、ゴミ回収、通訳、理髪などわずか100人ほどの住民を雇用しているにすぎない。

5.したがって、自衛隊に対する住民感情も極めて良好であるものの、かえって「期待の大きさ」が「失望」に変わり、不安定化する危惧も出始めている。また、4/11には、シーア派の大きな宗教行事があり、スンニ派による攻撃も懸念されている。

6.したがって、一刻も早く民間による復興を立ち上げる必要があり、そうなった時の自衛隊の役割の終了・撤収のタイミングも含めて、今後の対応の大局的なデザインが必要な時に来ている。この点、米国はじめ、共に行動している国々との連携のもと、早急に検討を進めることが必要である。


衆議院議員 西村やすとし"