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日本経済の浮上のために<国会レポート(15)>
1.東京後援会で、ゴールドマン・サックス証券の著名アナリスト・ストラテジストであるキャシー・松井氏から「日本経済の現状と今後」について講演してもらった。

2.何点か指摘のあった主要なポイントをご紹介すると、以下のとおりである。

①中国経済は、引き続き好調で、2004年、2005年と共に8%成長が予想される。このことは、先月(2月)の中国の貿易収支が赤字に転じていることからも明らか。中国国内の内需の強さを示している。

②日本の輸出は、ここ2~3年対中国向けで前年比30~50%増を続けており、今や中国を含むアジアとの貿易が全体 の約50%を占め、10年前には、日本の貿易の約1/3を占めていた米国との貿易のシェアは、20%まで低下している(ちなみに、EUとは14%)。

③消費者物価指数は、対前年「ゼロ地点」まで回復し、またオフィス供給が過剰となるのではないかと心配されていた(いわゆる「2003年」問題)東京のオフィス賃貸料も対前年比マイナスが「ゼロ」にまで回復していることから、デフレも終結局面になってきている。

④長年の懸案であった「不良債権の処理」についても、ピークから63%減少しており、また「株式の持ち合い」についても、その比率が約50%から23%程度にまで低下しており、いわゆる「金融システム」も安定化してきている。

3.このような指標を踏まえ、強気で知られるキャシー・松井氏がいつもよりまして強気であったが、正に日本経済は浮上に向けた転換期を迎えている。この足どりを確実なものとするためには、次の手が大事である。

①これまで認定してきた各地の構造改革特区の取り組みをさらに推し進め、地域、民間の様々なアイデアを実現し、内からの発展のための「内需」を拡大させること。

②銀行について、「土地担保主義」から脱却し、プロジェクト・ファイナンスや証券化の手法を活用して、アイデアや企業家精神あふれる中小企業・ベンチャー企業をしっかりと支援していく姿勢に変わること。やはり、新しい産業が育ってこないと雇用は生まれない。

4.いずれにしても、時代の変わり目には、「新旧交代」の様々なチャンスがあるはずである。ガンバル企業、地域がさらにやる気になるような環境整備が必要である。若い仲間とともに、頑張りたい。


衆議院議員 西村やすとし