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コムスン問題を議論
1.この問題の概要は次のとおりである。
(1)(株)コムスンは必要な訪問介護員を確保できていないにもかかわらず、5都県8事業所で訪問介護事業所の指定を受けていた問題で、厚労省は、介護保険法の「不正又は著しく不当な行為」に該当するとし、平成23年12月までの間、同社の介護サービス事業所について、新規指定及び更新をしてはならない旨、都道府県に通知した。(19年6月6日)。
さらに、同社に対して、更新時期までのサービス提供の継続と、来年4月(更新時期)以降の利用者の移行のための事業計画の作成案を指示した。

(2)6月13日には、コムスンは、厚労省に対し
 ①グッドウイル・グループは、関連会社を含め、すべての介護サービス事業から徹底すること
 ②事業譲渡先は、各地域においてグループ外の事業主体とすること
 ③具体的な譲渡先は、各方面と十分調整した上で、出来るだけ早い時期に選定すること
  など正式な対応方針を示したところである。

2.そして、現在、譲渡先については、コムスンと名乗りを上げた企業との間で、折衝が進んでいるが、例えば、コムスンの事業所しかない地域もあり、いいとこどりの分割譲渡では、どの会社も引き受けない地域が出てくる可能性もある。是非、利用者の立場に立った事業の継続が望まれるところである。しかし、一方で、コムスンは上場した株式会社である。最も利益の出る(有利な)事業者に譲渡しないと「株主代表訴訟」を提起される可能性もある。「利益第一」で利用者のことは「二の次」となるのが株式会社の宿命・本質ではないか。「官」から「民」への発想は大事であって、「民」の方が効率的であるのは間違いないが、民間事業者が介護事業のような「公的」な仕事に参入する場合には、一定のルールが必要である。利用者の立場を第一に、しっかりとしたルールをつくるべく引き続き議論してまいりたい。