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ロシアのウクライナ侵攻に当事者意識を持って断固たる決意で対応を!
1.ロシアによるウクライナ侵攻について書きたいと思います。
私の地元淡路島出身の高田屋嘉兵衛翁がロシアとの交流に尽力したこともあり、私自身も日本・ロシア友好議員連盟や日本・ロシア協会の役員として日露関係の強化に取組んできただけに、極めて複雑な思いです。
しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻は、力による一方的な現状変更の試みであり、主権と領土の一体性を侵害する国際法違反です。決して認めるわけにはいきません。
2.今回の事態は、遠いヨーロッパの出来事だと認識されている方もいらっしゃるかもしれませんが、日本は当事者としての意識を持ち断固たる決意で対応しなければならないと思います。
ロシアは日本と国境を接する隣国であり、そもそも、まさに「力による一方的な現状変更」により北方領土を占領した事実を忘れてはなりません。さらには近い将来、東アジアにおいても、同様の事態が起こる可能性もあります。
こうした視点から、日本は、当事者意識を持つとともに、G7を中心に国際社会と一致結束して厳しい対応を取る必要があります。
3.したがって、こうした国際法違反には大きな代償が伴うことを知らしめる必要があり、日本政府としても、国際社会と協調し、国際決済網SWIFTからのロシアの金融機関の排除、ロシアの金融機関・プーチン大統領を含むロシア政府関係者等の資産凍結、新規ソブリン債の日本での発行・流通禁止などの経済制裁を講じました。
従来、グローバル化による各国の経済的依存度が高まれば、戦争は起こりにくくなる、との考えがありましたが、こうした考えは”幻想”であることが明らかになりました。実際には、今回のように戦争は起こり、経済依存度が高いが故に経済制裁が諸刃の剣となってしまうことから、むしろ制裁に踏み切りにくくなるという面も出てきています。
実際に、EU諸国は天然ガスの輸入についてロシアに4割程度依存しており、経済制裁には返り血も伴います。日本企業も400社以上がロシアに進出しており、影響は避けられません。
ロシアと国際社会との”我慢比べ”とも言えます。ロシア国内ではルーブルが急落し、中央銀行が金利を年20%に引き上げるなど、既に制裁により実経済に大きな影響が現れ始めています。ルーブル安で、輸入物価が上昇し、既に高騰しているロシア国内での物価がはね上がることになります。ロシアの国民生活に大きな影響が出るものと思います。
その上で、経済制裁に際しては、人民元決済システムや暗号資産などが制裁の抜け道にならないよう国際的に対応する必要もあります。今こそ国際社会の強い決意を示すべき時です。
4.また、安全保障についても述べます。他国の脅威から国を守るには、以下のいずれかの方法を取ることが考えられます。①まずは自衛。ウクライナの軍隊は士気が高く、必死で抵抗し踏ん張っているとのことです。自国の防衛力を強化していくことが基本です。②次に、同盟の深化です。ウクライナはNATOに未加盟のため、NATO各国には防衛義務は生じません。しかし、各国とも武器・装備含め、ウクライナへの支援を強化しています。ウクライナの兵士が踏ん張って抵抗している背景です。③そして、国連による集団安全保障。しかし、今回の事態のように、5つの大国P5が紛争相手の場合、安全保障理事会において拒否権が行使され、集団安全保障は機能しないことも明らかになりました。
この観点からも、小泉政権の時に取り組んだ国連改革についても、もう一度積極的に取り組むべき時です。今回のロシアのウクライナ侵攻を契機として、ロシアが拒否権を発動し、国連安保理が機能しないことを目の当たりにする中、国際社会でも、国連改革の機運が盛り上がることも考えられます。
5.「①の自衛のための防衛力強化」の観点から、私が官房副長官を務めた安倍政権では、射程約900kmのスタンド・オフ・ミサイルJASSMの導入を決め、自衛隊員を危険にさらすことなく抑止力を高める取組みを進めてきましたが、今後、いわゆる「敵基地攻撃能力」と言われる「反撃力」「打撃力」「抑止力」について、その検討を急ぐ必要があります。
6.加えて、「②の同盟の深化」の観点からは、日本の外交安全保障の基軸である日米同盟の更なる深化とともに、友好国であるイギリス、オーストラリアとの、いわば「準同盟」ともいうべき関係の強化も重要です。
7.この視点で、安倍元総理の発言について私の考えを述べます。日本は非核三原則を堅持してきています。しかし日本の周辺には核保有国が存在しており、現実にはアメリカの「核の傘」により抑止力を保持しているわけです。今回のロシアのウクライナ侵攻・侵略を目のあたりにし、プーチン大統領が「核の使用」についても言及している中で、このアメリカの「核の拡大抑止」について、いざという時に日本の安全を守るために”具体的に”どう対応するのかについて議論を日米で進めておくべきと考えます。NATOでは、加盟国が攻撃された時に備えて平時からその対応について協議していると聞いています。今回のような事態が起こり得るわけですから、日米でその対応を考えておくことが必要です。少なくとも党において様々な議論を幅広く行っていくべきだと考えています。
8.「ローマ人の物語」の塩野七生さんが政治家の仕事は「食料と安全」と書いているように、安全保障は政治家の最も重要な任務です。
日本国民の命を守り、領土を守るために、様々な事態を想定し、どんなことがあっても対応していく、そのために幅広く議論し、実行していくことが必要です。今後とも政治家としての責務を果たしていきたいと考えています。
私の地元淡路島出身の高田屋嘉兵衛翁がロシアとの交流に尽力したこともあり、私自身も日本・ロシア友好議員連盟や日本・ロシア協会の役員として日露関係の強化に取組んできただけに、極めて複雑な思いです。
しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻は、力による一方的な現状変更の試みであり、主権と領土の一体性を侵害する国際法違反です。決して認めるわけにはいきません。
2.今回の事態は、遠いヨーロッパの出来事だと認識されている方もいらっしゃるかもしれませんが、日本は当事者としての意識を持ち断固たる決意で対応しなければならないと思います。
ロシアは日本と国境を接する隣国であり、そもそも、まさに「力による一方的な現状変更」により北方領土を占領した事実を忘れてはなりません。さらには近い将来、東アジアにおいても、同様の事態が起こる可能性もあります。
こうした視点から、日本は、当事者意識を持つとともに、G7を中心に国際社会と一致結束して厳しい対応を取る必要があります。
3.したがって、こうした国際法違反には大きな代償が伴うことを知らしめる必要があり、日本政府としても、国際社会と協調し、国際決済網SWIFTからのロシアの金融機関の排除、ロシアの金融機関・プーチン大統領を含むロシア政府関係者等の資産凍結、新規ソブリン債の日本での発行・流通禁止などの経済制裁を講じました。
従来、グローバル化による各国の経済的依存度が高まれば、戦争は起こりにくくなる、との考えがありましたが、こうした考えは”幻想”であることが明らかになりました。実際には、今回のように戦争は起こり、経済依存度が高いが故に経済制裁が諸刃の剣となってしまうことから、むしろ制裁に踏み切りにくくなるという面も出てきています。
実際に、EU諸国は天然ガスの輸入についてロシアに4割程度依存しており、経済制裁には返り血も伴います。日本企業も400社以上がロシアに進出しており、影響は避けられません。
ロシアと国際社会との”我慢比べ”とも言えます。ロシア国内ではルーブルが急落し、中央銀行が金利を年20%に引き上げるなど、既に制裁により実経済に大きな影響が現れ始めています。ルーブル安で、輸入物価が上昇し、既に高騰しているロシア国内での物価がはね上がることになります。ロシアの国民生活に大きな影響が出るものと思います。
その上で、経済制裁に際しては、人民元決済システムや暗号資産などが制裁の抜け道にならないよう国際的に対応する必要もあります。今こそ国際社会の強い決意を示すべき時です。
4.また、安全保障についても述べます。他国の脅威から国を守るには、以下のいずれかの方法を取ることが考えられます。①まずは自衛。ウクライナの軍隊は士気が高く、必死で抵抗し踏ん張っているとのことです。自国の防衛力を強化していくことが基本です。②次に、同盟の深化です。ウクライナはNATOに未加盟のため、NATO各国には防衛義務は生じません。しかし、各国とも武器・装備含め、ウクライナへの支援を強化しています。ウクライナの兵士が踏ん張って抵抗している背景です。③そして、国連による集団安全保障。しかし、今回の事態のように、5つの大国P5が紛争相手の場合、安全保障理事会において拒否権が行使され、集団安全保障は機能しないことも明らかになりました。
この観点からも、小泉政権の時に取り組んだ国連改革についても、もう一度積極的に取り組むべき時です。今回のロシアのウクライナ侵攻を契機として、ロシアが拒否権を発動し、国連安保理が機能しないことを目の当たりにする中、国際社会でも、国連改革の機運が盛り上がることも考えられます。
5.「①の自衛のための防衛力強化」の観点から、私が官房副長官を務めた安倍政権では、射程約900kmのスタンド・オフ・ミサイルJASSMの導入を決め、自衛隊員を危険にさらすことなく抑止力を高める取組みを進めてきましたが、今後、いわゆる「敵基地攻撃能力」と言われる「反撃力」「打撃力」「抑止力」について、その検討を急ぐ必要があります。
6.加えて、「②の同盟の深化」の観点からは、日本の外交安全保障の基軸である日米同盟の更なる深化とともに、友好国であるイギリス、オーストラリアとの、いわば「準同盟」ともいうべき関係の強化も重要です。
7.この視点で、安倍元総理の発言について私の考えを述べます。日本は非核三原則を堅持してきています。しかし日本の周辺には核保有国が存在しており、現実にはアメリカの「核の傘」により抑止力を保持しているわけです。今回のロシアのウクライナ侵攻・侵略を目のあたりにし、プーチン大統領が「核の使用」についても言及している中で、このアメリカの「核の拡大抑止」について、いざという時に日本の安全を守るために”具体的に”どう対応するのかについて議論を日米で進めておくべきと考えます。NATOでは、加盟国が攻撃された時に備えて平時からその対応について協議していると聞いています。今回のような事態が起こり得るわけですから、日米でその対応を考えておくことが必要です。少なくとも党において様々な議論を幅広く行っていくべきだと考えています。
8.「ローマ人の物語」の塩野七生さんが政治家の仕事は「食料と安全」と書いているように、安全保障は政治家の最も重要な任務です。
日本国民の命を守り、領土を守るために、様々な事態を想定し、どんなことがあっても対応していく、そのために幅広く議論し、実行していくことが必要です。今後とも政治家としての責務を果たしていきたいと考えています。