BLOG

ベトナム出張報告~ホアラック・ハイテクパークに宇宙センター整備へ~
1.12月10日(水)、香港経由で、午前10時頃、ベトナムの首都ハノイ着。本日一日だけのいわば「日帰り出張」であるが、ODA政策関係、宇宙政策関係の政府要人との会談が目白押しである。

2.まず、ベトナム政府より日本政府に対する協力要請の一つである「ホアラック・ハイテクパーク」を視察(写真①は入り口)。1600haもの広大な土地(東京都渋谷区とほぼ同じ面積)に、研究所や先端企業の誘致を計画しており、ここに鳥インフルエンザの研究のための「感染病研究センター」や、衛星からの画像を解析する「宇宙センター」の整備を計画しているのである(は宇宙センター予定地)。ラン科学技術副大臣、アドバイザーとしてJETROから派遣されている田中けいじさん(元富士通)から丁寧に説明を受ける()。は、都心からホアラック・ハイテクパークにつながる道路。まだ建設中である。⑤は、ハイテクパーク内に残る農地で「キャッサバ」を切る農民。

3.坂場三男大使と打ち合わせを兼ねて昼食をとり、科学技術省へ。ミン院長と宇宙センターの整備、衛星打ち上げ計画等について意見交換()。
続いて、旧知のフック計画大臣と面談()。あの不幸なPCI事件(収賄事件)の捜査状況等について、意見交換。フック計画大臣は、停職処分中の当事者・シー局長について「強制捜査に入った」と明言。(他にも重要な外交交渉を行ったが、残念ながらすべて紹介できない)。また、シン外務次官とも面談。EPAの締結や議員交流の活発化についても意見交換。

4.その合い間に、日本・ベトナム文化交流協会の「日本語センター」を視察()。とても楽しそうに勉強している生徒たちに、「日本語」(「どうも」「おおきに」など)を特別に講義(!?)。

5.夕方は、アジア太平洋地域の宇宙機関が定期的に集まって講義する場「APRSAF-15」(Asia-Pacific Regional Space Agency Forum)のレセプションで挨拶()し、参加している。各国の宇宙機関、宇宙関係者と意見交換。続いて同じホテルで開かれている第75回の天皇陛下誕生日の祝賀レセプションで挨拶()。駆けつけてくれたキエム副首相兼外務大臣とも懇談()。

6、そのまま空港へ。ベトナム滞在約12時間のほぼ「日帰り」出張であった。

7、ベトナム経済については、株価が急落し、心配していたが、杞憂であったようだ。引き続き不動産建設は続いているし、人口の65%が30才以下という若者達がバイクで活発に移動しており、市場も街中も大変な活力を感じた()。来年度の成長率は6.5%(世銀は3%台)と予想しており、人口8500万人のマーケットの引き続きの拡大が期待される。そうした中、ベトナムにとって日本とのEPA締結・署名、円借款再開は焦眉の願いであり、日本としても真摯に対応したいと思う。