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アフリカ出張報告(その②)「ナイジェリアの首都・アブジャ到着、製油所自動車工場視察。」
1.9月14日(日)朝4時半にナイジェリアの首都アブジャに到着。ロンドンからの飛行中はかなり揺れた。熟睡できないうちにアブジェに着いた感じだ。
アブジェの空港から、投資ミッションのメンバー約40人で、バスに乗って都市の中心に向かう。その間、窓のカーテンは「閉めておくように」言われる(写真①)。安全のためである。この治安の悪さがナイジェリアの最大の課題である。

2.しかし、滞在したヒルトンホテル(、③)は期待した以上であった。2年前に泊まったスーダンのヒルトンホテルがひどかった(2005年12月1日活動報告参照)だけにあまり期待していなかったが、清潔感があり、お湯もすぐに出る。それでも、蚊が媒介するマラリアが心配だから、キンチョーの蚊取線香をつけておく。テレビもCNNやBBCも入るから快適である。ただ、中国語の放送(CCTV)が入るのに、日本語の放送が入らないのは誠に残念である。NHKの国際放送の展開を加速することが必要だ。

3.14日は、昼からアブジャの北、カドゥナ州に向かう、80年代に日本の企業(千代田化工)が建設したカドゥナ製油所()及びプジョーの工場視察()である。途中、数少ない観光名所「ズマ・ロック」の横を通る()。カドゥナ製油所では大歓迎を受けたが(、⑧)、設備そのものは古すぎて、拡大しようにもなかなか一部手直しでは対応できない。新設が必要である。しかし、この国では、ガソリン流通価格を固定(公定)しており(現在約70円/ℓ)、精製事業で利益をあげるのは難しい。

プジョーの工場では、日産250台の生産能力があるのに、わずか22台/日の生産である。市場の5割以上は日本車で、この生産水準が最も採算がいいとのことである(、⑩)。

4.夜は、大使館の皆さんも含めて、内輪の夕食会。ナイジェリアの暮らしの厳しさなどを伺う。ナイジェリアはアフリカ随一の産油国であり、人口1億4千万人の可能性を秘めた大国である。課題は治安と衛生状態。平均寿命は46歳で、ちょうど私の年くらいである。滞在中は常に警察に先導してもらっていたため危険は感じなかったが、バスから見ている限り、また駐在の企業の方の話を聞く限り、夜も歩いたり、危険な地域に行かなければそれほど心配はないと言う。
しかし、一方で、地方に出張した大使館員がマラリアにかかり、1ヶ月間苦しんだとも聞いた。決して油断してはいけないのである。はカドゥナの町のにぎわい、は建設の進むアブジャの町並み。この都市計画は丹下健三氏によるもので道路は広い。遠くに人口の約半分を占めるキリスト教の教会が見える。他方、その反対側には、人口の残り半分のイスラム教のモスクがそびえたっている。約250もの民族があり、日本の約2.5倍の土地を有する国を治めていくのは容易なことではない。大統領は南からと北からと交互に出すという慣例もあるようである。