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“絆”の力 ~次から次へとスターは生まれる~
この夏のロンドンオリンピックを見て、娘の学校のPTAの定期刊行物に寄稿したものです。

1.  今年の夏は、ロンドン五輪での日本人選手の活躍に沸いた。金メダルは7個と目標に達せなかったが、金・銀・銅の総数は38個と過去最高となった。心に残る名場面も多かった。女子アーチェリー団体の3位決定戦、体操男子団体の銀、男子フェンシング団体の銀に加えて、圧巻は男子女子ともに競泳400m混合メドレーのダブル銀である。個々の記録は劣るのに、トータル(合計)の4人の記録は、世界のトップクラスになるのである。「個人の入賞」のレベルが合わさって「団体の銀」となった。日本人の力の源泉はやはり“結束力”だ。“絆”の力と言ってもよい。ロンドン五輪は、成長期を終え、先進国として成熟しつつあり、先行きが不透明、閉塞感の強い我が国に、まだまだ可能性があることを教えてくれた。

2. “絆”の力は国際的にも通用するのである。娘たちも、学び舎で仲間との絆を深め、将来の礎として欲しい。そして、その“絆“の心地よさに安住して内向きになることなく、より大きな世界を目指す、“開かれた絆“であってほしいと願うばかりである。

3. 実は、私が最も印象的に残ったのは、男子200m平泳ぎである。三連覇を狙ったあの北島康介氏が敗れ、北島氏を上回った新進気鋭の立石諒氏が銅メダルを取ったことである。しかも五輪後に行われた高校総体で山口観弘氏が五輪での立石氏を上回る、日本歴代2位のタイムで優勝したのである。北島氏にもまだまだ頑張って欲しいが、次から次へと新しい人、若い人が出てくる。これがスポーツ界や芸能界の常識である。そして、この“新陳代謝”こそが、日本の経済・社会を再生していく鍵ではないか。娘たちも、それぞれの進む道において、“絆”を自信にしながら、将来の日本を担う人材として大いに飛躍してもらいたいと願うばかりである。

4. なお余談だが、我が家にはテレビがない。私たち夫婦が留守の時、3人の娘たちが朝から晩までテレビを見ていたため禁止したのである。
それでも、今回の五輪だけは、と妻に相談したが、あなえく却下され、結局娘たちは、毎朝、新聞を奪い合い、日本人選手の活躍ぶりをむさぼるように読んでいた(笑)。
感動と希望、そして、日本人の強さを教えてくれたロンドン五輪であった。