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民主党代表選を考える。
1.野田佳彦財務大臣が民主党代表に選ばれた。民主党は衆議院で圧倒的多数を占めているから、明日30日(火)の衆議院本会議で首相が選ばれることになる。

2.菅総理は国益を考えず、またビジョンや戦略もなしに、目先のことだけ考え、思いつきの発言を重ねてきた。まさに首相失格であり、私も一日も早い退陣を求めてきた(2011年6月2日2011年5月31日2010年9月26日ブログ参照)。

3.しかし、菅総理が辞めて、誰が新しい首相になろうとも、民主党の本質、体質は変わらない。官僚を使いこなすこともできず、何か起こった時の瞬発力、対応能力、さらには外交交渉能力等が著しく欠如しており、全く統治能力がないと言わざるを得ない。日々国益を失っている。党内の意思決定のプロセスもあいまいなままである。とても、このような政党にはいつまでも政権を任せておくわけにはいかない。

4.しかも、2009年9月の政権交代後、3人目の総理である。衆議院総選挙により、国民の信を問わなければ正統性のある政権とは言えない。一日も早く総選挙を求めるものである。

5.ちなみに、今回の民主党代表選は、一般党員の投票なしに、所属国会議員のみの投票で決められた。言わば、有権者の意思に関係なく、永田町の論理のみで選ばれたのである。さらに、わずか3日間の代表選で、経済や外交についての政策も何ら具体的な内容は示されず、議論は深まったとは思えない。2009年9月の自民党総裁選は、11日間にわたって全国を回り、政策論争を重ねた。私は知名度も低く、準備も十分に出来てなかったので、国会議員票43票の第2位、地方党員票は全体の約1割の約5万票(議員票11票に換算)ではあったが、このような激しい議論の中から、真のリーダーが生み出されるのである。

6.いずれにしても、一日も早く国民の信を問うべきだと考えるが、自民党として、東北地方の震災復興と全国の円高・経済対策のための三次補正予算を一刻も早く実施すべきであると考えており、協力の用意はある。原子力の損害賠償スキーム法も再生可能エネルギー買取法も自民党の協力のもと、自・公・民の三党の修正協議を行い成立したのであり、民主党の新体制が柔軟な姿勢で与野党協力を求めてくるなら、十分に協力の余地はあるのである。

7.しかし、小沢氏の支援を得て、しかも「(子ども手当見直しなどの)三党合意は(白紙から)見直す」と主張した海江田氏が177票も獲得したことは、依然マニフェスト通りに、政策・予算を実行するという小沢氏の影響力が大きく残っている証拠であり、民主党が一つにまとまるのか、分裂含みで動いていくのか、しっかりと見極めなければならない。

8.しかも、野田代表は、早期の増税を主張しており、財務省の言うがままの政策を実行するなら、とても協力できない。「小沢操り人形」の海江田氏に勝ったとは言え、野田氏が「財務省操り人形」であるなら、とても協力の余地などないのである。まずは、震災からの復興、円高デフレ・空洞化対策、そして地域活性化が急務であり、我々としても、様々な提言・提案を新政権に投げかけていく考えである。三次補正予算について協力し、成立した暁には、一日も早い衆議院総選挙を求めるものである。