BLOG

総合特区「あわじ環境未来島」構想に込めた「スピード」と「スローライフ」で日本の未来を切り拓く。
1. 世界の経済・社会が大きく変わろうとしている。インターネットの普及で、グローバル化・経済の一体化が急速に進み、世界は一つになって来ている。例えば、万が一ギリシャという小さな経済規模の国が消滅しても、日本経済はほとんど打撃を受けないにもかかわらず、ギリシャの「財政が破綻する」という情報が全世界に瞬時に伝わり、日本の株価や為替も大きな影響を受ける時代になったのである。世界経済の直接間接の相互依存関係の深化と、さらに、情報を世界中に瞬時に伝えるインターネットの力により、反応・影響が大きく増幅されるのである。

2. したがって、企業経営や経済、そして、政治判断でも、過去には考えられない判断の迅速さ、「スピード」が求められる。ちょっとした判断の遅れが、命とりになりかねない。そんな時代である。しかし、このように利益を求めて、スピードだけを競うのは、本来の人間の姿からかけ離れている。「自分だけ良ければいい」「他人を出し抜いて儲ける」。こうした利己的な行動が正に「リーマンショック」を発生させたのである。

3. つまり、スピードが求められる時代だからこそ、その対極の「スローな人生」も求められているのである。豊かな自然に、美味しい農水産品、人と人とのつながり、信頼関係、助け合い、そして、祭りなど伝統的な文化の営み。こうした、温かみのある人間らしいスローな生活もまた必要とされているのである。

4. 淡路島には、この「スピード」と「スロー」を両方を満たす生活がある。大阪、神戸といった大都市に近い上に、インターネットの普及で、スピード感あふれる経営・生活も可能であるし、他方、何より風光明媚な自然、豊かな日照時間に育てられた、美味しい農水産品(たまねぎ、レタスに、淡路牛、鯛、はも、ノリ・・・)がある。各集落には、春に秋に伝統的な祭がにぎやかである。人と人との信頼に裏打ちされた共同体の営みがしっかりと引継がれている。
「スピード」と「スロー」の両方が求められる、21世紀の新しい社会の在り方、新しい共同体の在り方を淡路島から発信しようではないか。これが総合特区「あわじ環境未来島」構想の基本的な考え方なのである。

5. このような、大きな経済・社会の変化に対して、日本経済をどう改革し、国内の雇用を守っていくのか。急速に少子高齢化が進む中で、年金・福祉・医療についても、持続的・安定的な制度の確立が急務である。そのために、消費税を含めた税制改革を一日も早く急実行しなければならない。農水産業を持続可能で国際競争力あるものに改革していくと同時に、TPPへの対応も加速しなければならない。要は、日本経済再生のために、やるべき課題が山積であり、一日も早く方向性を出し実行しなければならないのである。そう考えると本年の通常国会は一日も早く開いて、日本経済の改革の道筋や地域社会の活性化に向けての政策議論を行なうべきだったのである。しかしながら、与野党ともに小沢氏の「政治とカネ」の問題にこだわり、結局1月24日からの開会となった。小沢氏のカネの問題も大きな問題ではあるが、もう強制起訴されて裁判で争われることになるのだから、その是非は裁判に任せて、国会はまさに経済政策や地域政策、そして、社会保障政策について、その方向性を出し実行すべく、足の引っ張り合いではなく、建設的な論戦を行なうべきなのである。

6. 総合特区「あわじ環境未来島」構想では、農水産業の活性化・効率化を図り、食品産業や環境エネルギー関連産業に税も含めた優遇措置を認め、立地・集積を図っていく。電気自動車が島内の移動手段の中心となる。既に食糧自給率は100%であるが、まだ数%のエネルギー自給率も、豊かな太陽光、風力、潮力、畜産廃棄物を利用したバイオマスなど、こちらも100%にすることも夢ではない。そうなれば、日本が何にも改革もできなければ、淡路島として“独立”することも可能になる。夢は大きく広がるのである。そんな“初夢”を見ながら、何事も前向きにとらえて、皆さんの知恵、力を結集して、淡路島から日本の未来を切り拓こうではないか。