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郵政民営化、後退。自民党“天下り全面禁止法案”提出へ。
1. 郵政民営化を後退させる案が、民主党政権から出てきた。郵便貯金の限度額を1000万円から2000万円に、簡易保険の上限を1200万円から2500万円に拡大し、この金融部門で利益を上げ、赤字の郵便事業に回そう、というのである。しかも、政府は、株式をすべて売却するのではなく、全株式の3分の1を保有するというのである。一般の銀行のペイオフ(保証されている預金金額)は、1000万円であるのに対し、郵便貯金はまるで政府保証がついているかのような印象となり、ますます民間の資金を吸収する可能性が高い。地域の信金・信組や農協は預金を失ってしまう。しかも、郵便局や郵政公社には、民間企業に融資するノウハウもなく、資金運用は大半が国債であり、結局、民間企業に資金が回らず、経済が活性化することにはならない。

2.つまり、「民から官へ」と時代の流れに逆行し、資金量が270兆円もの巨大な官業が再び誕生するのである。社長に、斉藤次郎元大蔵事務次官が就任するなど、人事・体制も“官主導”の色彩が強まっている。何としても、この「郵政“官”営化」を止めなければならない。確かに、地方で郵便局のサービスが低下していることへの配慮は必要で、日本全国あまねく共通のサービスが受けれるよう、いわゆる「ユニバーサル・サービス」を維持するための工夫は必要である。我々も対案(新規立法)をまとめているところである。

3.また、公務員改革法の対案についても有志で議論を行った。民主党政権は、上述の斉藤元次官については、「大臣が決めたから」と言って“天下り”を認め、また、団体に天下っている官僚OBたちが話し合って、後輩の天下り人事を進めることも認め出している。野党時代に言っていたこととは全く違うのである。自民党こそ、しっかりした“天下り全面禁止”を打ち出さなければならない。斡旋(あっせん)による天下りを認めず、スタッフとして給与水準は下がるが定年まで働く道を開くのである。民主党案では、次官が部長に降格になっても給与は下がらず、人件費を抑えることはできない。さあ、各分野で、「正論」で対決だ。