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台風23号による被害とその対応について。その2
3. さて、今回の被害の背景と対応について現段階で気付きの点を何点か述べたい。

① ため池の決壊については、多くのため池がつくられた後、もう何十年も改修など行われていないとのことである。このため、数十年前の古い工法でつくられたままであり、しかも多くのところで地盤の弱化も見られたようである。そして、山の森林の多くが切られてきたことも、山の持つ本来の治水能力を弱めてしまってきた要因となっている。今後、もう一度ため池や河川の状況の確認、改修、補強など治山治水事業をしっかりと行うべきである。

② 自衛隊の方々の活動は地元の方々から大変評価されているが、何分トップからの指令がないことには、活動内容を変えることができない。土砂崩れのある場所を復旧している際、町長からの要請があっても、別の場所には行けない。現場の指揮官に対して、地元の町長と協議をし、活動内容を柔軟に判断する裁量の余地を与えることはできないものか。

③ 床上浸水で家財家具などすべてだめになった世帯には「被災者再建支援法」が適用されれば、最大100万円(と借入れをする際の利息分200万円)が支給されるが、これだけの金額では全く不十分である。もちろん個人財産を国が補償することには法理論上の難しさはあるが、保険制度もうまく組み合わせながら、自治体とも連携して、何とかうまく知恵を出せないものか。

④ 特に、被害を受けられた独居老人の方々など見ていられない。ボランティアの方々が手助けをしてくれているが、もちろん間に合わない。地域コミュニティ間の連携、NPOとの連携も含めて、支援する仕組みを構築することが必要である。

⑤ 水浸しになった住家からの大量のゴミ、泥が道端をおおっている。この処理が思うように進まず、道路が遮断されたり交通渋滞の原因となっている。今後、衛生上の問題も生じる。自衛隊への支援要請も含めて、被災した場合の廃棄物処理についてのマニュアルを早急に整備すべきである。

※その1とその3にも写真があります。