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民主党・年金法案について<国会レポート(18)>
1.4月7日にようやく民主党の年金法案が提出された。民主党は、「(自分たちの案を)提出するまで審議に応じない。」として本会議を欠席してまでして 作られた法案であるが、保険利率、給付水準、事業主の負担割合などの具体的な数字や算定の根拠が明確にされておらず、「政権能力なし」とせざるを得ない。

2.もちろん、民主党案の前提となっている各種年金制度の「一元化」については、総理も言及したとおり、理想ではあるが、自営業者の所得の把握の難しさなど、課題も多く、少し時間をかけて議論していくべきである。また、基礎年金について「全額税金でまかなうべき」との考え方には、共感を覚えるが、この点についても、財源をどうするのか、消費税を充当するとすれば何%程度必要なのか、など検討課題も多く、国民における十分な論議を待つべきものである。

3.以上のことから、当面の改革としては、政府・与党案の方が圧倒的に優れており、「消費税3%上げで30年は維持できる」とする民主党案と比べても、「100年後」の姿まで想定している政府・与党案の方が「より根本的」である。

4.ちなみに、民主党案について、何点かの問題点を指摘すると、

①「給付水準を政府案程度に維持するために、消費税3%上げが必要」 としているが、その根拠は不明確であり、試算によれば、6%以上 の大増税となる。

② 正に現在問題となっている「障害年金」(現在2兆円)、「遺族年金」 (現在5兆円)についての記載が一切ない。

③ 物価の上昇あるいは下降等があった場合に年金額がどうなるのか、現行制度のいわゆる「物価スライド」「賃金スライド」の仕組みに ついての記載がない。

5.いずれにしても、まず、当面の安心として、政府・与党案の早期成立を図る事が必要である。その上で、上記のような点について与野党の枠を超えて共通の認識を持っている仲間も多いことから、今後、同じ思いを持つ若手議員を中心に一元化も含めた中長期的な課題について議論を重ねていくことが必要ではないか。
  
6.私としても、今後の議論に積極的に参加し、御高齢の方も若者も安心できる年金制度の実現に全力を尽くしたいと思う。そして、現在の年金問題の最も大きな背景である「少子化」について、全国400万人とも言われるフリーター対策、都市部の若者の悩み解決(子育て支援策)を含め、抜本的な対策を実施することが緊急の課題である。党内の若手数人でチームを作り議論を始めたところであり、近々政策提案をまとめたいと思っている。


衆議院議員 西村やすとし