BLOG
「脱石油・脱中東」でいいのか?
ブッシュ大統領は、本年2月「脱石油・脱中東」のエネルギー戦略を打ち出した。新エネルギーの導入により、石油の中東依存度24%を2025年までに6%に下げるという、大変野心的な提案である。日本はどうすべきか?真似るべき、より積極的に行うべきは、新エネルギーの大胆な導入促進である。世界一だった大陽光発電はドイツに抜かれ、伸びている風力発電もまだまだ少ない。燃料電池を中核に、幅広く新エネルギーを導入すべく大胆な支援措置を講じるべきである。その際、豪州も含めてアジアには天然ガスも多いし、農村部振興を兼ねて、さとうきびなどからバイオエタノールを作る工場をアジアの国々につくり、日本が輸入するなど、アジア全体のエネルギー安全保障の仕組みを構築することも重要である。一方、肝に銘じるべきは、「親石油・親中東」政策である。ロシアや中央アジア、アフリカも当然大事であるが、FTA、産業技術の移転などを通じて、中東産油国との重厚な信頼関係を構築すべきである。日本外交においては、日米同盟が基本であるが、今こそアジア、中東において米国にはできない日本独自の役割を模索すべき時である。