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東アジア出張報告(その1)~香港編~
1.香港、中国広東省深セン市・広州市、そして、韓国ソウルと6日間の出張に行ってきました。
2.まず、香港。今年が「日本・香港交流年」で、様々なイベントを通じて交流を深めようとする、その一環で、茂木敏充・元科学技術大臣、岸信夫参議院議員と私が、香港政府の招聘を受け、様々な方々と意見交換してきました。
香港では中国返還後も、自由主義、資本主義を維持し、世界の金融センターとしての地位を守り続けていますが、今後、国会議員選挙、香港の基本法の改正などを控え、行政府がいろいろと悩んでいる現状がよくわかりました。
3.第一に、国会議員選挙に際し、北京政府と激しいやりとりを行っているようです。北京政府は定数の「半数を直接選挙、半数を間接選挙」とし、少なくとも半数は、北京政府の意向を反映できるようにしたいと考えているようですが、香港側としては、できれば60%くらいを直接選挙とし、民主主義を確固たるものにしたい、と考えているようです。
第二に、現在世界一の港、そして新空港を、それぞれアジアのハブ(中軸)として、整備・維持したいようですが、中国側の深セン、広州は「そうはさせない」と深セン港、広州新空港をさらに拡充させるようです。特に、広州の新空港は現在2本の4000m滑走路を今後何と4本にまで整備する計画です。「世界の工場である『珠江デルタ地域』」からの貨物や旅行客を巡って激しい競争が繰り広げられています。
第三.しかし、「国際金融センター」としての香港の位置付けは不変なようです。中国政府は上海を第一の国際金融センターにしたがった節もありますが、①英語を話す人材が少なすぎること、②法制、税制などの整備が不十分であることなどから、やはり香港にはかなわないようです。(ちなみに、香港の株式市場の時価総額は約100兆円で、上海市場、深セン市場、シンガポール市場を合せたものよりも大きいとのことです。)
その意味で、深セン、広州にある中国企業にとっては、香港の港や空港の意味は小さくなる可能性がありますが、資金調達や国際決裁、法律(訴訟)対策などの面で、香港の役割は大きいようです。
4.最後にうれしいけれど、複雑な気持ちになる話を一つ。日本研究を志望する学生が極めて多いとのことです。ただ、その理由が「アニメやゲームの日本語を直接読んでみたい」というもので、「日本経済の強さや日本社会の良さ」ではないのです。うれしいやら、悲しいやら。でも、みんなで魅力ある国づくりに頑張りましょう。
写真は香港の都市計画について説明を受けている所です。
2.まず、香港。今年が「日本・香港交流年」で、様々なイベントを通じて交流を深めようとする、その一環で、茂木敏充・元科学技術大臣、岸信夫参議院議員と私が、香港政府の招聘を受け、様々な方々と意見交換してきました。
香港では中国返還後も、自由主義、資本主義を維持し、世界の金融センターとしての地位を守り続けていますが、今後、国会議員選挙、香港の基本法の改正などを控え、行政府がいろいろと悩んでいる現状がよくわかりました。
3.第一に、国会議員選挙に際し、北京政府と激しいやりとりを行っているようです。北京政府は定数の「半数を直接選挙、半数を間接選挙」とし、少なくとも半数は、北京政府の意向を反映できるようにしたいと考えているようですが、香港側としては、できれば60%くらいを直接選挙とし、民主主義を確固たるものにしたい、と考えているようです。
第二に、現在世界一の港、そして新空港を、それぞれアジアのハブ(中軸)として、整備・維持したいようですが、中国側の深セン、広州は「そうはさせない」と深セン港、広州新空港をさらに拡充させるようです。特に、広州の新空港は現在2本の4000m滑走路を今後何と4本にまで整備する計画です。「世界の工場である『珠江デルタ地域』」からの貨物や旅行客を巡って激しい競争が繰り広げられています。
第三.しかし、「国際金融センター」としての香港の位置付けは不変なようです。中国政府は上海を第一の国際金融センターにしたがった節もありますが、①英語を話す人材が少なすぎること、②法制、税制などの整備が不十分であることなどから、やはり香港にはかなわないようです。(ちなみに、香港の株式市場の時価総額は約100兆円で、上海市場、深セン市場、シンガポール市場を合せたものよりも大きいとのことです。)
その意味で、深セン、広州にある中国企業にとっては、香港の港や空港の意味は小さくなる可能性がありますが、資金調達や国際決裁、法律(訴訟)対策などの面で、香港の役割は大きいようです。
4.最後にうれしいけれど、複雑な気持ちになる話を一つ。日本研究を志望する学生が極めて多いとのことです。ただ、その理由が「アニメやゲームの日本語を直接読んでみたい」というもので、「日本経済の強さや日本社会の良さ」ではないのです。うれしいやら、悲しいやら。でも、みんなで魅力ある国づくりに頑張りましょう。
写真は香港の都市計画について説明を受けている所です。