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経済再生・コロナ・TPP担当大臣を退任しました。 長い間ありがとうございました。
最後の大臣記者会見(10月4日の動画その①);前半は、こちらです。
最後の大臣記者会見(10月4日の動画その②);後半は、こちらです。
1.昨日10月4日をもって大臣を退任いたしました。一昨年2019年9月11日に安倍総理より経済再生担当大臣・全世代型社会保障改革担当・TPP担当大臣を、昨年2020年3月6日には新型コロナ対策担当大臣を拝命し、この2年間、安倍内閣・菅内閣の一員として全身全霊で取り組んでまいりました。
【コロナ対策】
2.コロナ担当については、特措法の改正を担当し、それが終わりしばらくすれば担務からは外れるとも思っていましたが、その後、コロナ対策全般を担当することとなり、4回にわたっての緊急事態宣言の発出をし、非常に長丁場になりました。
学生時代はボクシングに打ち込み、心身ともにタフなことが私の取り柄ですが、ボクシングでは、1R3分やれば1分休憩し、その後、2R、3Rと続いていきます。コロナの今の現状は、1Rが終わり1分の休憩をとっているような状況と言えます。今後、画期的治療薬などによる「KO勝ち」がない限り、戦いは何Rも続くのです。
コロナに対しては、「KO勝ち」を追求しつつも、同時に、長丁場になるとの覚悟で戦っていかなければなりません。
【コロナ対策と経済再生の両立】
3. コロナ対策は、明確な答がない中で、専門家の意見を聞きながら、その時々の状況に応じて、これがベストと思う対策を講じてきました。今回も感染をここまで抑えられましたが、ひとえに、国民の皆さまのご協力のおかげであり、改めて深く感謝します。
就任当初から何度も申し上げている通り、コロナはゼロにすることはできず、感染の波は何度も起こります。国民の皆さまからは、「何度も繰り返して」との思いがあるかもしれませんが、宣言を解除すれば人々の活動が活発になり、また感染が増える、申し上げてきた通りのことが繰り返されています。
その都度、感染を抑えようとすれば経済を動かしたい人から、他方、経済を動かそうとすれば感染を抑えたい人から、それぞれ批判を受けてきました。感染拡大防止と経済、このバランスをどうとるのか、世界のリーダーたちにも共通の悩みだったと思います。
ただ、わが国の特措法には強制力がなく、強力な罰則を伴うロックダウンのようなことはできません。ゆえにどうしても中途半端な対応にならざるを得ず、緊急事態宣言の期間が長引いた側面があったことは否めません。
こうした中で、私自身は、たとえ「憎まれ役」になってでも、国民の皆さまの命と健康を守るため、批判は一手に引き受ける覚悟でここまでやってまいりました。
誰も経験したことのない未曽有の難局ではありましたが、結果として、国民の皆さまのご協力により、4度にわたる感染拡大を抑え、亡くなられた方も諸外国、特に欧米先進国に比べて圧倒的に低く抑えられました。亡くなられた皆様には心からご冥福をお祈り申し上げますが、あらためて医療関係者の皆様のご尽力に心から感謝申し上げます。
4. 自粛に応じて頂いた国民の皆さん、特に飲食・宿泊業をはじめとした事業者の皆さんには本当にご負担をおかけしました。
影響を受けた事業者へ、その影響の度合いに応じた支援策をいかに迅速に届けるか、飲食店への協力金については事業規模に応じて、また早期支給の取組みを進めてきましたが、支援策の在り方は引き続き大きな課題と考えています。
5. 繰り返しになりますが、感染の波は何度も起こります。次の再拡大、特にこの冬の感染拡大に備えて、以下の課題に取り組まなければなりません。
(ⅰ)医療提供体制の維持・強化、
(ⅱ)緊急事態宣言への慣れ・自粛疲れもある中で、強い措置をとる場合に、国民の皆さまにご協力頂くためにしっかりとした支援策を講ずることも含め、「緊急事態宣言の再定義」し、特措法の改正も視野にいれた検討を進めていく必要、
(ⅲ)感染拡大防止と日常生活の両立を図る「ワクチン検査パッケージ」について、技術実証を経て、具体的な制度設計をどう行っていくか、
(ⅳ)ワクチンの3回目接種への準備、
(ⅴ)国内でのワクチン・治療薬の早期開発、
以上、取り組むべき課題は数多く残っています。
岸田新政権のもとで、私も与党の一員として引き続きしっかりと取り組んでいきます。
【経済政策】
6. 経済政策については、年内にコロナ前の水準に回復するものと考えてきていますが、ここにきて、①半導体不足・東南アジアの部品供給の問題、②中国の恒大集団の問題、③米国の物価・金融政策の動向など様々な要因にはよく目配りが必要です。岸田総理は、年内に数十兆円の経済対策を行う旨表明されており、これについても党側でしっかりと支えていきます。
【TPP】
7. TPPについては、私自身が最初の交渉時から関与してきており、格別の思いがあります。本年は議長として英国の加入手続きの開始を決定することで、TPPをアジア太平洋を越える地域に広げる第一歩を踏み出せたと考えています。
先月(9月)には中国、台湾から加入要請が提出されました。TPPが実現しているハイスタンダードなルールを水準をいささかも下げることなく、公平・公正な自由貿易体制をこの地域で更に広げることが重要です。
同時に、世界経済秩序が大きく変動している中で、経済安全保障の観点も含め、より戦略的な対応が求められています。
【50、100年後に備えて】
8. 細菌学の開祖であるルイ・パスツールの言葉に、「幸運の女神は準備した者にしか微笑まない」というのがあります。将来に備えて準備することが何より重要だということです。コロナ対策だけでなく、成長戦略・社会保障改革も同様です。50、100年後を見据え、人口減少社会に対応する経済社会をどう創り上げていくか、そして、大きく変動する国際社会の中でどう舵取りを行うか、重い課題です。
わが国の知恵と総力を結集し、政策を練り上げていくことが大事です。私としても、与党の立場で積極的に取り組んでいきます。
【最後に】
9. 週末や、思い出深い今年の正月の1月2日の会見も含め、就任時から通算584回の会見を行いました。お付き合い頂いたメディアの皆様には感謝申し上げます。
また、国会においてはこの2年間で2,795回の答弁をしました。
時に至らない点もあり、反省もしていますが、国民の皆さんに、できるかぎりわかりやすい説明を心掛け、また、そのための工夫も重ねてまいりました。
職員の皆さんには、時には深夜休日にまで、専門家との議論や各県との調整を行うといった負担もかけましたが、コロナという国難の中で、使命感を持って取り組んで頂いたこと、また、私を支えて頂いたことに、心から感謝したいと思います。
10. 今後もコロナとの戦いは続きます。これまで4度の緊急事態宣言での経験を活かし、党の立場となりますが、引き続き、国民の皆様の命・健康を守ることを最優先に、日常生活・社会経済活動との両立を目指して、全力で取り組んでまいります。
多くの皆さんからの叱咤激励、心から感謝申し上げます。長い間ありがとうございました。
最後の大臣記者会見(10月4日の動画その②);後半は、こちらです。
1.昨日10月4日をもって大臣を退任いたしました。一昨年2019年9月11日に安倍総理より経済再生担当大臣・全世代型社会保障改革担当・TPP担当大臣を、昨年2020年3月6日には新型コロナ対策担当大臣を拝命し、この2年間、安倍内閣・菅内閣の一員として全身全霊で取り組んでまいりました。
【コロナ対策】
2.コロナ担当については、特措法の改正を担当し、それが終わりしばらくすれば担務からは外れるとも思っていましたが、その後、コロナ対策全般を担当することとなり、4回にわたっての緊急事態宣言の発出をし、非常に長丁場になりました。
学生時代はボクシングに打ち込み、心身ともにタフなことが私の取り柄ですが、ボクシングでは、1R3分やれば1分休憩し、その後、2R、3Rと続いていきます。コロナの今の現状は、1Rが終わり1分の休憩をとっているような状況と言えます。今後、画期的治療薬などによる「KO勝ち」がない限り、戦いは何Rも続くのです。
コロナに対しては、「KO勝ち」を追求しつつも、同時に、長丁場になるとの覚悟で戦っていかなければなりません。
【コロナ対策と経済再生の両立】
3. コロナ対策は、明確な答がない中で、専門家の意見を聞きながら、その時々の状況に応じて、これがベストと思う対策を講じてきました。今回も感染をここまで抑えられましたが、ひとえに、国民の皆さまのご協力のおかげであり、改めて深く感謝します。
就任当初から何度も申し上げている通り、コロナはゼロにすることはできず、感染の波は何度も起こります。国民の皆さまからは、「何度も繰り返して」との思いがあるかもしれませんが、宣言を解除すれば人々の活動が活発になり、また感染が増える、申し上げてきた通りのことが繰り返されています。
その都度、感染を抑えようとすれば経済を動かしたい人から、他方、経済を動かそうとすれば感染を抑えたい人から、それぞれ批判を受けてきました。感染拡大防止と経済、このバランスをどうとるのか、世界のリーダーたちにも共通の悩みだったと思います。
ただ、わが国の特措法には強制力がなく、強力な罰則を伴うロックダウンのようなことはできません。ゆえにどうしても中途半端な対応にならざるを得ず、緊急事態宣言の期間が長引いた側面があったことは否めません。
こうした中で、私自身は、たとえ「憎まれ役」になってでも、国民の皆さまの命と健康を守るため、批判は一手に引き受ける覚悟でここまでやってまいりました。
誰も経験したことのない未曽有の難局ではありましたが、結果として、国民の皆さまのご協力により、4度にわたる感染拡大を抑え、亡くなられた方も諸外国、特に欧米先進国に比べて圧倒的に低く抑えられました。亡くなられた皆様には心からご冥福をお祈り申し上げますが、あらためて医療関係者の皆様のご尽力に心から感謝申し上げます。
4. 自粛に応じて頂いた国民の皆さん、特に飲食・宿泊業をはじめとした事業者の皆さんには本当にご負担をおかけしました。
影響を受けた事業者へ、その影響の度合いに応じた支援策をいかに迅速に届けるか、飲食店への協力金については事業規模に応じて、また早期支給の取組みを進めてきましたが、支援策の在り方は引き続き大きな課題と考えています。
5. 繰り返しになりますが、感染の波は何度も起こります。次の再拡大、特にこの冬の感染拡大に備えて、以下の課題に取り組まなければなりません。
(ⅰ)医療提供体制の維持・強化、
(ⅱ)緊急事態宣言への慣れ・自粛疲れもある中で、強い措置をとる場合に、国民の皆さまにご協力頂くためにしっかりとした支援策を講ずることも含め、「緊急事態宣言の再定義」し、特措法の改正も視野にいれた検討を進めていく必要、
(ⅲ)感染拡大防止と日常生活の両立を図る「ワクチン検査パッケージ」について、技術実証を経て、具体的な制度設計をどう行っていくか、
(ⅳ)ワクチンの3回目接種への準備、
(ⅴ)国内でのワクチン・治療薬の早期開発、
以上、取り組むべき課題は数多く残っています。
岸田新政権のもとで、私も与党の一員として引き続きしっかりと取り組んでいきます。
【経済政策】
6. 経済政策については、年内にコロナ前の水準に回復するものと考えてきていますが、ここにきて、①半導体不足・東南アジアの部品供給の問題、②中国の恒大集団の問題、③米国の物価・金融政策の動向など様々な要因にはよく目配りが必要です。岸田総理は、年内に数十兆円の経済対策を行う旨表明されており、これについても党側でしっかりと支えていきます。
【TPP】
7. TPPについては、私自身が最初の交渉時から関与してきており、格別の思いがあります。本年は議長として英国の加入手続きの開始を決定することで、TPPをアジア太平洋を越える地域に広げる第一歩を踏み出せたと考えています。
先月(9月)には中国、台湾から加入要請が提出されました。TPPが実現しているハイスタンダードなルールを水準をいささかも下げることなく、公平・公正な自由貿易体制をこの地域で更に広げることが重要です。
同時に、世界経済秩序が大きく変動している中で、経済安全保障の観点も含め、より戦略的な対応が求められています。
【50、100年後に備えて】
8. 細菌学の開祖であるルイ・パスツールの言葉に、「幸運の女神は準備した者にしか微笑まない」というのがあります。将来に備えて準備することが何より重要だということです。コロナ対策だけでなく、成長戦略・社会保障改革も同様です。50、100年後を見据え、人口減少社会に対応する経済社会をどう創り上げていくか、そして、大きく変動する国際社会の中でどう舵取りを行うか、重い課題です。
わが国の知恵と総力を結集し、政策を練り上げていくことが大事です。私としても、与党の立場で積極的に取り組んでいきます。
【最後に】
9. 週末や、思い出深い今年の正月の1月2日の会見も含め、就任時から通算584回の会見を行いました。お付き合い頂いたメディアの皆様には感謝申し上げます。
また、国会においてはこの2年間で2,795回の答弁をしました。
時に至らない点もあり、反省もしていますが、国民の皆さんに、できるかぎりわかりやすい説明を心掛け、また、そのための工夫も重ねてまいりました。
職員の皆さんには、時には深夜休日にまで、専門家との議論や各県との調整を行うといった負担もかけましたが、コロナという国難の中で、使命感を持って取り組んで頂いたこと、また、私を支えて頂いたことに、心から感謝したいと思います。
10. 今後もコロナとの戦いは続きます。これまで4度の緊急事態宣言での経験を活かし、党の立場となりますが、引き続き、国民の皆様の命・健康を守ることを最優先に、日常生活・社会経済活動との両立を目指して、全力で取り組んでまいります。
多くの皆さんからの叱咤激励、心から感謝申し上げます。長い間ありがとうございました。