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アメリカ、カナダ、南スーダン出張報告③
1.カナダから、ロンドン、カイロ経由で南スーダンに向かう。カイロでは、朝4時着で、南スーダンの首都ジュバ行きまで5時間あるために、鈴木大使とピラミッドのすぐそばの有名な「MENA HOUSE OBEROI」ホテルで朝食をとりながら、現地情勢を伺う(写真①)。アラブの春でムバラク大統領退陣後、モルシ政権が誕生し、その後も、国を二分するような対立のため混乱していたが、車で市内を回る限り、街中は落ち着いているようであった()。

2.午後に南スーダンの首都ジュバ到着。激しい内戦の後、2011年7月に分離独立しただけに、高い建物がないのはもちろん、道路もほとんど舗装されておらず、穴ぼこだらけで、少し雨が降るだけで水たまりができ、通行が困難になる()。広い国土(日本の約1.7倍)に物資を供給するのにも支障が生じるのである。

3.自衛隊は、PKO(国連平和維持活動)として、施設部隊が、道路整備、大学の改修などを行っている。特に、食糧の供給国である隣国のウガンダから首都ジュバへの幹線道路、国連の拠点近くのコミュニティ道路などの整備()、あわせて排水溝の整備を行っている。
 しかも、その際、その地域の住民に技術指導をしながら工事を行っている。したがって表面にでこぼこがあったり見た目は良くない()。確かに自衛隊がすべて工事を行えば、見た目はいいかもしれないが、何より自衛隊のこの姿勢が素晴らしいのである。現地の目線で活動する自衛隊が国際的に高く評価されているゆえんでもある。

3.その後、JICAが整備した橋()、これから整備するナイル川の積み出し港()などを視察。特に、ナイル川の両側をつなぐ要路であるナイル架橋が限界に近づいており()、経済協力で新橋を築く準備を進めている。

4.また、ジュバではマシャール副大統領()、ベンジャミン情報・放送大臣()と会談。自衛隊の今後の活動範囲についても意見交換。さらに、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)のランザー国連事務総長副特別代表()、ゼネンガ国連事務総長副特別代表()とも意見交換。自衛隊の活動について高い評価を頂くとともに、南スーダンの将来についても意見交換。
 もともと産油国で、ようやく石油生産が再開し、出荷のためスーダン(北)のパイプラインを流れ始めた。この資金を基に国づくりが加速することを期待したいし、しっかりとお手伝いをしたい。

  • 鈴木大使らとカイロ視察①
  • 鈴木大使らとカイロ視察②
  • 舗装されていない道路
  • コミュニティ道路の整備
  • でこぼこの整備事業
  • JICAが整備した橋
  • 積み出し港
  • ナイル架橋
  • マシャール副大統領
  • ベンジャミン情報・放送大臣
  • ランザー国連事務総長副特別代表
  • ゼネンガ国連事務総長副特別代表