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米国・中南米出張報告(その5)~世界遺産・クスコの街へ(5月2日)~
1.5月2日午後、マチュピチュ遺跡への玄関口、クスコに到着。公称人口36万人の古いインカ文明の都市である。3400mの高さにあり、空気が薄い。到着してしばらくはあまり活発に動き回らない方がよいし、そもそも、この町については何も期待しておらず、単にマチュピチュ遺跡に行くための通過点とくらいにしか考えていなかった。

2.しかし、どうしてどうしてである。今回の出張・旅行で最も「美しい」と感じた街である。ただし、全体の風景とアルマス広場周辺の中心部の話であり、山裾に広がる家々は貧困層も多く、近づいて見るととてもきれいとは言えないが、サクサイワマン遺跡に向かう途中の高台から眺めたクスコ全景は、すべてレンガ色の屋根に統一されたとても美しい町である。さすが世界遺産!!何枚も写真を撮った。そして、街中は、スペイン統治時代の面影を残す、ヨーロッパ風の小じんまりしたかわいらしい町である。迷路のような細い路地には店やカフェが立ち並び、足を踏み入れたくなる雰囲気である(どことなくイタリアのベニスを思い出した)。

3.このクスコの町の中心であるカテドラル(大教会)の前のアルマス広場のすぐ前に、日本人経営者・鈴木さんの店「プカラ」(「要塞」の意)がある。私の愛読書(!?)「地球の歩き方」にもアメリカの「ガイドブック」にも載っているペルー料理の店である。鈴木さんはクスコに来て29年。リマで修業した後、リマで独立開業しようとしたが、いい物件が見つからずあきらめて日本に帰ろうとした際、最後の観光にと訪れたクスコで、偶然この素晴らしい立地の物件に出会い、その場で契約したという。そしてその後、大成功である。人生はホントに分からないものである。ほんの小さな出来事で大きく将来を変えてしまう。私も、今回の久しぶりの南米訪問で、南米とのかかわりが深くなるかもしれないし、むしろ期待するところである。1992年ブラジルの地球環境サミットに出席したことも南米との大きな縁であり、2月に尾身財務大臣の意向を受け、日本・ボリビア友好議連の事務局長に就任し、来日されたモラレス大統領にお目にかかったのも大きなきっかけである。資源確保を中心に、自分にしかできないことをしっかりと見極め、がんばってまいりたい。
  • クスコの美しい街並み。
  • 原住民の親子と。
  • 沖縄の「シーサー」にも通じるところがある「魔よけ」。
  • サクサイワマン遺跡。「セクシー・ウーマン」と覚えます。
  • 巨大な石には神秘的な力が宿る、と伝えられています。
  • インカの遺跡の特徴は、この台形の窓です。
  • 最も小さい石。
  • 「12角形」の石。
  • 小さな路地が迷路のように続きます。
  • 日系人の店も多いです。
  • 夜はさらに美しいライトアップです。
  • 鈴木さんの店「プカラ」で。