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旭山動物園訪問!
1.昨年末、子どもたちにせがまれて、北海道旭川市の旭山動物園に行った。かつては入場者数が年間26万人にまで落ち込み、閉園直前までの状態になりながら、見事に復活した、あの有名な動物園である。今や年間200万人の入場者を誇る動物園であり、実は私自身がひそかに訪ねてみたい、と思っていた場所である。ちなみに、年間入場者数200万人の数字は、動物園関係者にとって見れば、年間300万人を誇る別格の上野動物園(こちらも、かつて70年代のパンダ・ブームのときは750万人を超えていた)を除いては、まさに「夢のまた夢」の数字であったのである(写真「戦う動物園」(中公新書)参照)。

2.まず感動するのは、テレビや雑誌でも紹介されているとおり、見事な演出である。入園すると、すぐにペンギンたちの散歩に出くわした。ほんとに目の前をひょこひょこ歩いていく。ひとり先に行くものもあれば、遅れ遅れ歩むペンギンもいる。そういえば、約15年前に、このペンギンの歩みを見たくて、アルゼンチンの南の端・あのマゼラン海峡まで旅したことがあった。そのペンギンの散歩を目の前で見ているのである。全く発想の転換である。普通の動物園では考えられない。

3.さらに、ペンギンについての説明も、まるで小学校の壁新聞のように、スタッフの手書きで、にぎやかに色とりどりに描かれ、楽しくいろんな知識を習得できる。例えば、①ペンギンは、鳥の一種であること(飛べないが!)、②温暖化の影響でペンギンの生息地がどんどん南下していること、③ペンギンは、南極などに生息し、北極のように肉食のホキョククマがいないから、よく目立つ色をしていても心配ないこと、などなど。子どもたちも、興味津々で眺めていた。

4.また、アザラシ館では、これもよくテレビなどで紹介されているが、筒のような縦の透明なトンネル(円柱水槽)を、アザラシが下から上に、上から下に、ほんの目の前を通り抜ける。子どもたちは大喜びである。何度も携帯で写真を撮ろうとして失敗している大人も多い。ほんとに一瞬で通り抜けるのである。

5.そして、アザラシの餌付けタイムは、これまたユニークである。ホントの海と同じように、テトラポットまで置いてあるし、えさをやりながらの会話が楽しい。例えば、アザラシとアシカの違いは何か?日頃から何となく疑問に思っていることであるが、①アザラシには、ゴマのような模様がある、②アザラシは、腹ばいで歩く(アシカは四本の足を上手く使って歩く)、③アシカには耳たぶがあるが、アザラシには耳たぶがない、などなど。言われてみると、なるほどと納得する。さらに、「アザラシは、魚を頭から食べる(うろこなどがひっかからないように)」、「アザラシは哺乳類だから、えら呼吸ではなく、人間と同じ肺呼吸をしている」、「だから、人間と同じように、海水でも淡水でも潜れる(住める)」、「実際に、この水族館の水槽は水道水にしている」など、驚くことばかりである。また、「アザラシは、約30分間水中に潜っていられるが、息継ぎのため、氷の裂け目から顔を出したところを、ホキョククマが狙って襲いかかる」と説明してくれた後で、次のホッキョククマ館では、例のカプセル(シールズアイ)から我々人間が顔をのぞかしてホッキョククマを見るのである。ホッキョククマは、我々をアザラシだと思って襲いかかるというわけだ。仕掛けがよく出来ているし、動物たちの生態を自然に学べるようになっている。まさに「そこが知りたい」と感じたところを体験し、解説してくれるのである。

6.まさしく「かゆいところに手が届く」精神である。ビジネスの基本とも言えるであろう。相手の視線に立って、サービスを提供しているのである。様々な体験をしながら、見てみたいこと、知りたいこと、疑問に思ったことなどを、解消してくれる。ちなみに、動物園併設のレストランは、大変明るくしゃれた雰囲気で、しかも、北海道ならではの、じゃがいもやチーズ、鮭や新鮮な野菜ジュースなどが味わえる。さらには、貸切パ-テイなどにも利用できるのである。動物園のレストランでは考えられないことである。子どもたちは、最初から最後まで存分に楽しんだが、国民の気持ちを理解しなければならない政治家の道を歩む私にとっても大いに勉強となった動物園訪問であった。まさにビジネスのヒント満載の旭山動物園である。是非、訪問をお勧めしたい。
  • ペンギンの散歩。すごくかわいいです。
  • 円柱の水中トンネルを通るアザラシ。
  • 餌付けタイム。アザラシの楽しいお話がいっぱいです。
  • カプセルからホッキョク熊をのぞくと・・・。
  • アザラシと思い、襲いかかります。
  • 動物園に併設されている、おしゃれなレストラン。
  • しょう油味が自慢の「旭川ラーメン」!
  • 旭山動物園復活の記録です。(私のこのブログを読まれた方は、読む必要はないと思いますが。)