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現旧社会主義国(中国・モンゴル・ロシア・インド)出張報告<その4>~モンゴル①~
1.北京発8:50のモンゴル・ウランバートル行き・中華航空に乗るべく、空港に着いた。早速1時間遅れの連絡。待つこと一時間、出発時刻が11:30に変更になった。昨日も、上海発北京行きが2時間も遅れたため、東方航空に変更したばかりである。あとで、ウランバートルの方々に話を聞くと、「中華航空は遅れないことのほうが珍しい」とのことである。2008年に北京オリンピックを控え、何とも心配なことである。

2.さて、北京から、ウランバートルにも向かう飛行機から見る光景とその変化は、何とも幻想的であった。北京の大都市がやがて緑の山々に変わり、そのうち緑の平原になる。しばらくするうちに、緑が少しずつはげていき、やがては砂漠になる。これが「ゴビ砂漠」である。薄い雲雲と真っ青な空、まるで絵でも見ているような光景である。生命のない砂漠、しかし、ここには、石油・石炭・銅など、限りない資源が眠っているとも言われている。モンゴルが脚光を浴び始め、各国首脳がウランバートル参りを重ねる理由である。
また、中国とロシアにはさまれ自ら外の世界に出て行く出口を持たないという難しさはあるものの、裏を返せば、日本にとっては、まるでオセロゲームで真っ黒な石に覆いつくされている、そのド真ん中に白い石を打ち込む、そんな地政学的な大事な意味もあるのである。幸い、相撲や「モンゴル斑」といった共通点も多く、大変親日的な国である。

3.そして、今年が、チンギス・ハーン(モンゴルではこう呼ぶ)がモンゴル帝国を創りあげて800周年で、日本からも、何回かにわたり国会議員や経済団体、そしてたくさんの観光ツアーの訪問が予定されている(現に、私の先輩の堺屋太一さんが企画した800周年記念事業の「チンギス・ハーン騎馬隊再現」のショーでは、私の大阪、そして金沢の後援会の方々にもお会いした!)。8月には小泉総理のモンゴル訪問も実現しそうである。今回は、このような経緯の中で、自民党モンゴル議員連盟の公式ミッションの来席メンバーとして、私も、初めてモンゴルを訪問することになったのである。

4.ウランバートル空港から街の中心部に向かう途中、早速、様々な光景を目にする。まずは、「旭鷲山の看板」。日本の相撲の人気はものすごく、日本の視聴率よりもはるかにいいらしい(ちなみに、NHKの放送は、日本と全く同じ内容が見れるし、この時期はサマータイムで時差がないため、同じ時間に見れる)。相撲のルーツはモンゴル、との思いもあるらしく、今場所の朝青龍の優勝は、しばしば話題にのぼった。

5. そして、飛行機からも見えた、いわゆる移動式の住居「ゲル」(中国では「パオ」と呼ぶらしい)がたくさん現れる。何でも、ウランバートルの市街にあるゲルは、外から移住してきた人たちが住みついてしまっているらしく、本来の移動式住居ではない、とのことであるが。いずれにしても、モンゴルを訪れた多くの日本人が感動するのは、このゲルでの宿泊体験と星空の美しさという。年間一万人くらいの日本人観光客のほとんどがゲルで宿泊体験をするという。今回、宿泊はできないがゲルを訪ねること、また、真夜中に郊外に出かけ眺める星星、楽しみである。ただ、通常は30度近くある気温が、到着時に19度で、しかも雨。天候が心配である。((注)その後三日間、雨模様の天気であった。星空は、お預けとなった。次回の楽しみに取っておきたい。ちなみに、モンゴルでは、年間300日以上が晴れのため、雨はすごく喜ばれる。我々は「雨をもたらしてくれた」と大変歓迎された。しかし、一方で、日本では、九州を中心とする豪雨で多くの方が被害に遭われている。心からお見舞い申し上げる次第である。)

6. 次には、単線の線路を列車が通るところに遭遇した。20両も30両も続く車両が、何とすべて石炭貨物である。なかなか見られる光景ではない。ちなみに、モンゴルの発電はすべて石炭であり、このあと日本の経済協力(ODA)により、モンゴルの電力の70%を供給する。火力発電所を訪問することにしている。楽しみである。
  • ゴビ砂漠が広がります。
  • 草原の小高い丘に「ゲル」がたくさんあります。
  • 旭鷲山の看板。
  • チンギスハーンの姿を描いています。
  • 石炭を運ぶ貨物列車(軍船です)。
  • 日本人の慰霊塔で。
  • まち中まで、ゲルがあります。何でも、仕事を求めてウランバートルに流入し、定住化している遊牧民だそうです。
  • 日本の無償協力でつくった学校の子供たち。肌寒い中ダンスで迎えてくれました。
  • けん玉で出迎えてくれる子供たちも、大変上手です。
  • 「馬頭琴」の演奏もしてくれました。
  • 泊まった「チンギス・ハーン・ホテル」。夜中にお湯が出ない日がありました。
  • 「ソウル・ビジネス・センター」。韓国の企業が相当進出していますし、韓国人と結婚するモンゴル人も増えています。