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バイデン大統領就任への祝意と、決意
 バイデン大統領、ハリス副大統領のご就任に心よりお祝い申し上げます。日米を始めとした民主主義という普遍的な価値観を共有する国同士が強い絆を維持・発展させることは、世界の安定にとって何よりも重要だと考えます。私自身、官房副長官として、安倍前総理、トランプ前大統領の首脳会談に9回、電話会談を入れると32回同席し、2人の首脳が厚い信頼関係を構築し、胸襟を開いて意思疎通を図ることの大切さを肌で感じました。バイデン大統領の下で日米同盟がより強固なものとなるよう、私も役割を果たしたいと思います。

 バイデン大統領は就任当日、大統領令を発出し、住居立退きや学生ローン返済の猶予措置延長、不法移民の子(ドリーマー)の強制送還猶予といった弱者支援策を発表しました。日本でも、背景となる事情は異なりますが、女性、学生、非正規労働者、フリーランスといった社会的に立場の弱い方々が、新型コロナにより大きな影響を受けています。新型コロナはそれぞれの社会の最も脆弱な部分を浮き彫りにしています。生活困窮者やひとり親への支援、再就職支援やトライアル雇用に対する賃金助成などを通じ、誰一人として取り残されない包摂的な社会の構築に取り組んでいくべく、私自身決意を新たにしました。

 新型コロナの世界的感染拡大により保護主義的な動きが広がっています。日本は積極的に大型の経済連携協定を結ぶなど、自由貿易の旗手としての役割を果たしており、バイデン大統領の就任が世界的な自由貿易推進への大きな転機、強力な推進力となることを期待しています。自由貿易は「既存のサプライチェーンを奪う」ものではありません。目指すべきは「新たなバリューチェーンを創出する」ことです。自由な貿易・投資を促進する中で、新たなビジネスを生み、世界の富を増やします。日米が連携して世界経済の回復の基盤を築き、成長を牽引していきたいと思います。
 本年、日本はTPP委員会の議長国を務めており、担当大臣として、米国を含め、出来るだけ多くの国・地域がTPPに参加することが最善であると考えています。TPP協定の着実な実施・拡大に取り組みます。

 バイデン大統領の就任演説において、最も強調されたのは国民の「団結・結束」でした。国民が団結して、新型コロナの収束に向けて取り組むことが、日米両国に共通した最大の課題です。新型コロナの流行が始まってからおよそ1年となります。長く苦しい戦いですが、国民の皆様が団結して対策に取り組むことで流行は必ず収束させることが出来ます。この1年の間に日米それぞれが様々な経験をし、多くの研究成果もあり、新型コロナについて多くのことが分かってきました。日米で緊密に連携をしてそれぞれの知見を共有するなど、感染収束に向けても協力していきたいと思います。