１．東京都を中心に新型コロナの新規感染者数が増加傾向にあり、国民の皆様に御心配をおかけしています。昨日の東京都の新規感染者数は107名で、100名を超えるのは、５月２日（154名）以来でした。また、千葉、埼玉、神奈川等の東京の近県においても、東京都とのつながりがあると考えられる新規感染者が出ています。日々、尾身先生をはじめ専門家の皆さんから分析と御意見を頂いているところであり、未だ医療体制の逼迫等はありませんが、高い緊張感をもって警戒すべき状況となっています。兵庫県は、６月30日に１名、７月１日に２名、７月２日に１名と、皆様のご協力により低い水準が維持されていますが、安心はできません。

２．感染拡大を防ぐためには、何よりも「新型コロナウイルスはどこにでもある」という前提に立って行動をして頂くことが大切です。国民の皆様には、改めて「手洗い マスク 消毒 換気」「ガイドラインの徹底」「体調の悪い方は外出を控える」の「３原則」の徹底を是非ともお願いします。
加えて、新型コロナウイルス接触確認アプリの活用もお願いします。陽性者と接触した場合には通知が来て、無料でスムーズにＰＣＲ検査を受けて頂くことが出来ます。６月19日にリリースし、既に499万ダウンロードして頂きました。多くの方にご利用頂き、感謝申し上げます。リリース当初は不具合がありご迷惑をおかけしましたが、既に修正が行われています。電話番号や位置情報を取らない個人情報の守られたアプリですので、安心してご利用ください。

３．引き続き「感染拡大防止と社会経済活動の両立を持続させる」ことが重要です。こうした中、次なる波に備えた専門家助言組織について、「専門家会議」の構成員の方から「医学や公衆衛生学以外の分野からも様々な領域の知を結集した組織とする必要がある」とのご提案を頂きました。この提案も踏まえて、「専門家会議」については「新型インフルエンザ等対策有識者会議」の下の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」として発展的に移行させることにしました。記者会見で「廃止」という強い言葉を使ったために誤解を生じ、率直に反省しているところです。いずれにしても、引き続き、尾身先生をはじめ感染症の専門家の皆さんから分析と御意見を頂きながら、適切に対応していきたいと思います。

４．４月、５月の緊急事態宣言下で感染拡大に対応した経験を踏まえ、今後の第２波に備え、スーパーコンピュータ「富岳」も活用して、コロナ対策を進化させていきます。このため、一昨日（１日）、黒川清名誉教授、安西祐一郎内閣府ＡＩ戦略実行会議座長、永井良三自治医科大学学長、山中伸弥京都大学ｉＰＳ細胞研究所長にご出席頂き、「対策効果分析アドバイザリー・ボード」を開催しました。大所高所から第三者の視点で御意見を頂くこととしています。日本の英知や技術力を結集して引き続き全力で取り組んで参りますので、御協力、御支援をよろしくお願いいたします。

【テレビ出演のお知らせ】
７月５日（日）9:00～10:00頃　生出演　『日曜討論（ＮＨＫ）』
　テーマ：「感染防止と経済再生の両立、第２波・第３波への備え・自然災害等」
７月６日（月）20:00～21:00頃　生放送　『プライムニュース（ＢＳフジ）』
　テーマ：「東京都で感染拡大、今後の対応のあり方」