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今こそ、自民の若手が前へ出るべき
1. 民主党政権の内閣改造が行われた。元参院議長と元衆院副議長の大臣起用、そして財務大臣などを歴任され一度は引退した大長老の官房副長官起用など、長老ベテランのオンパレード。そして、参院選大敗の責任をとったはずの前幹事長の官房長官への起用。民主党の若手は何をやっているのか。代表もそうだが、同じ顔ぶれのたらい回しだけで、他に若手はいないのか?民主党の魅力は若さ、新鮮味ではなかったのか。民主党への失望感が高まっている今こそ、我ら自民党の若手が全面に出て、政策能力や政治姿勢をアピールする時である。

2. そして、与謝野さんの経済財政担当大臣への入閣についても考えてみたい。与謝野さんは、2009年秋の自民党総裁選の時に私の推薦人にもなって頂いた。見識、胆力、すべてに卓越された先輩である。「民主党が日本経済を破壊する」との著書もあっただけに、「理解できない」「裏切り」との声が強いようだが、私は、民主党の内部からマニュフェスト修正や政策の変更を促し、内部から民主党をひっくり返し、分裂・崩壊させる気ではないか、と信じたい。名誉も命も捨てて、日本の将来のために捨て身で内部に入り込んだと考えたい。

3. 国・地方の借金が900兆円に迫り、また、急速に少子高齢化が進む中で、年金・福祉・医療について持続的・安定的な制度の確立が急務である。消費税を含めた税制改革を一日も早く実行しなければならない。また、グローバルな競争が激化する中で、国内で雇用を守るため、経済活性化も急がねばならない。農水産業を持続可能で国際競争力あるものに改革していくと同時に、TPPへの対応も加速しなければならない。
要は、日本経済再生のために、やるべき課題が山積であり、一日も早く方向性を出し実行しなければならないのである。日本に残された時間はわずかなのである。

4. なお、与謝野さんについては、自民党として当選したのだから「議員を辞職するべきだ」との声もあるが、私は、そうは思わない。与謝野さんが民主党政権に入っての“結果”を見てから判断すべきではないか。民主党内に入り込み、結果として、自民党の求める政策を実行できたならば、与謝野さんに一票を託した人たちの思いを実現したことになる。逆に結果を出せなければ、その時は議員辞職に値する。政治家は結果がすべてである。日本に残された時間がわずかな中で、捨て身で、民主党内に飛び込んだ行動に隠された与謝野さんのしたたかさ、強い情熱を私は汲んでやりたい。
いずれにしても、政局に時間をとられている場合ではない。政党の枠を超えて、日本を正しい方向に導いていくべき時が来ていると確信している。足の引っ張り合いではなく、与謝野さんと他の閣僚の政策の相違を浮き彫りにしながら、政策がより良い方向に向いていくよう、日本の未来のために建設的な論戦を行うことが大切なのである。