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中国からのノリ輸入について
1.先日、各紙に「中国からノリの輸入開始」の旨、大きく報道されましたが、まるで自由化され大量に輸入されるかの報道で、地元のノリ関係者に大変な御心配をおかけしております。

2.事実関係は次のとおりです。
 ① まず、ノリの輸入については、現在韓国に対して2.4億枚(国内消費のおよそ1%)の輸入枠(IQ枠)を与えているだけです。

 ② これに対し、中国が「この制度はWTO(世界貿易機構)協定違反だ。WTOに提訴して、この制度を撤廃しノリの輸入を自由化すべきだ。まずは我々が調査する。」との主張をし、日本として大変苦慮してきたところですが、仮にWTOに提訴されると、自由化せざるを得なくなる可能性が高く、これだけは何としても避けたい。そのような判断から、中国に一定の輸入枠を与えることとしたのです。いわば「自由化を回避し、中国からの輸入を一定の枠にはめる」選択をしたわけです。(これにより、中国側は、調査を中止し提訴を取り下げました。)

3. 私は、基本的に世界の国々と協調して平和な社会を築いていく、経済的にも、自由な貿易を通じてお互いの国が発展していく、そのような姿が望ましいと考えています。特に、資源を持たない我が国にとって自由貿易こそが発展・成長の源であると思います。
   しかしながら、私たちの食糧を供給してもらっている農業、水産業の第一次産業については、食糧自給率の観点、特に非常時における食糧安全保障の観点から
  「守るべきところにしっかり守る」ことが大切だと思っております。明石、淡路は有明湾と並ぶ全国一、二のノリの産地であり、約1000人もの方々がノリ業を営んでおられます。その方々の生活をしっかり守るとともに、今後とも美味しいノリを私たちの食卓に運んでいただきたい、と思っています。

4. このような観点から、今後、中国とは、さらに具体的な、厳しい交渉が予想されますが、官僚に交渉を任せることなく、政治の立場でしっかりと対応してまいりたいと思います。


衆議院議員 西村やすとし