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総裁選に思う(2)
1.谷垣さんは、「消費税率10%に増税」と堂々と主張し、「はっきりしたことを言わない(安倍)候補はひきょうだ」と口撃している。

2.果たしてそうだろうか。実は国の税収は昨年一年間だけで5兆円増えている(44兆円→49兆円)。景気が回復し、経済成長すれば財政収支は必ず改善されるのである。安倍さんの「成長なくして財政再建なし」は正しい。

3.仮に、3%成長を持続できれば今後5年間で16兆円の増収が可能との試算である。だからこそ、成長に向けての「イノベーション」が必要なのである。しかも、この「イノベーション」は「画期的な技術革新」のみならず、マーケティングや販路開拓といった「ちょっとした工夫」も含まれるのである。

4.さらに、この「成長による増収」に加えて、「大胆な歳出削減」も実行しなければならない。私も視察し提言に加わった都心の公務員宿舎の売却、徹底したムダ遣いの削減により、5年間で11~14兆円の削減が可能、と政府で試算をまとめている(これには谷垣さんも財務大臣として合意している)。

5.社会保障の増大などで5年後に必要な支出は約32兆円と推計されているから、「(成長による増収)16兆円+(大胆な歳出削減)11~14兆円⇒27兆~30兆円」として、不足分は2~5兆円である。

6.さらに安倍さんは、「道州制の導入」や「少子化対策」も合わせて打ち出している。官僚、特に、知事を多く輩出している総務省(旧自治省)の抵抗が強い道州制を実行すれば、「年間約10兆円の歳出削減が可能」との試算も数多く出されている。大胆な少子化対策により少子化に歯止めがかかれば、財政収支はさらに好転する。

7.以上、安倍さんは、「成長なくして財政再建なし」の考えのもと、財政再建への道筋もしっかりと示しているのである。官僚の抵抗を封じ、官邸主導で大胆に政策を実行していくことにより、経済成長、そして財政再建は可能である。消費税増税は「最後の最後の手段」であり、まさしく「消費税の議論を逃げているのではないし、また、消費税に逃げこむこともない」のである。まずは、政治のリーダーシップでやれることを徹底的に実行することが大事なのである。安倍さんをしっかりサポートしたい。