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ライブドア・ショックについて
1.ライブドアの粉飾決算が報道されている。事実ならば大変残念な話である。堀江氏は、今の時代の大きな変わり目にふさわしい「破壊者」、「開拓者」と評価していた。経団連会長のあの奥田・トヨタ会長まで「(経団連入会承認を)ミスった」と言ったほどである。

2.今回の事件で、まるでIT企業の多くが同じ事をしているかのような論評をする人があるが、そのような評価は早計である。ベンチャー企業の多くがまじめに事業展開している。新規雇用の拡大や日本経済の構造改革に貢献しているのである。そのことは忘れてはならない。(違法な行為は徹底的に取り締まるべきであることは言うまでもないが。)

3.また、株式市場におけるこの2日間の激しい「売り」には驚いた。「信用取引」で「買い」を重ねていた個人のいわゆる「狼狽売り」が一気に出たのであろう。実需の何倍もの売りが行われ、「下げ」が加速され予想を超えた下げ幅となるのである。実需を超えた投機の大きさを改めて認識した次第である。つい先日の地元のある新年会でも「昨年、株で1億円儲けた」という人がいた。株取引自体は悪いことではないし、株式市場を通じて新しい企業に資金が提供されるのも素晴らしいことである。しかし、あまりにも「投機」が大きくなりすぎていないか?真面目にコツコツ働くことの意味が失われていないか?健全な株式市場の育成、上場企業の情報開示のルールの徹底などとともに、健全な「投資観」「仕事観」の醸成も必要である。

4.ちょうど、藤原正彦氏の「国家の品格」を読んだ。あまりにすべてのルールが米国流で、生き方まで米国流になってしまっていることへの警鐘と受け止めた。もちろん米国流の良さもたくさんあるが、今一度日本社会の良さ、強み、伝統を見直すことが必要な時である。今年一年「改革」を加速するとともに、日本の強さも改めて考えたい。
(藤原氏は株式市場で頻発していた「誤発注」も、急速に米国化していることの無理の現れ、としている。昨日の東証の「売買停止措置」はその象徴的なでき事かもしれない。)