おすすめの読書2011(その21)
「アカペラ」(山本文緒著:新潮社刊)
小泉今日子さんの書評で見つけた、三つの中編作品の入った小説集です。一つ目の「アカペラ」は子どもが主人公で、私は今一つ波に乗れず途中でダウン。しかし二作目の「ソリチュード」は優柔不断なイケメン男の青春、三作目の「ネロリ」は独身の中年姉弟の半生を、共に見事に描き出しています。「さもありなん」ということばかり。人生はちょっとした判断の差で、その後の展開が大きく変わる。そんな日々の判断の大切さを感じさせてくれる珠玉の小説です。といっても、成り行きで展開することも多いのですが…。