ニッシ-の春のおすすめ読書 その①
先般、直木賞を受賞した桜庭一樹著「私の男」。タイトルもすごいし、表紙絵もすごいが、内容はもっとすごい。「一気読み」間違いなしの衝撃作だが、一人一人の人物描写はもちろん、「家庭」とは何かを問いかけつつ、登場人物の深層心理を見事に描き切っている。そして、モチーフのどこかに、「田舎vs.都市」、「裕福な家庭vs.貧しい家庭」といったものがあるようにも思う。選考委員のどなたが「(あえて)世に問うてみたい、と思った」という趣旨のことを述べられていたが、正にピタリと当てはまる言葉である。是非、皆さんお一人お一人の心に投げかけてみて頂きたい。