とっておきの1枚

2009年4月29日
春のお薦め読書(その③)

生物と無生物のあいだ(福岡伸一著、講談社刊)
昨年のベストセラーの一冊です。大変わかり易い本です。もちろん、途中、専門的すぎて理解できない部分も少しありますが、プロローグ(前書き)とエピローグ(後書き)をまず読めば、この著者の人間性が良く分かります。最近著者の写真もよく出ていますから、その顔立ちからも純朴な少年の(まま大きくなった)ようなお人柄がしのばれますが、本当にそんな感じの作品です。野口英世博士の意外な側面が書かれていたり、コップの水にインクを垂らすと、じわじわ広がるように、世の中は「無秩序」が拡大する(これを「エントロピーの増大」という)ように動いていることなど、わかり易く書かれています。生命の神秘に迫る一冊です。