とっておきの1枚

2009年5月7日
春のお薦め読書(その④)

武装解除(伊勢崎賢治著、講談社刊)
「アフガニスタン」で何が起こっているのか?「イラク」では?アフリカのダイヤモンドの産地「シェラレオネ」では?世界の数々の紛争地域で武装解除(DDR:いわゆる「刀狩り」)などを経験してきた作者が、その体験をありのままに記しながら、日本の外交やODA(援助)政策がどうあるべきか、をかみ砕いて説いています。
自分の命を守るための武器を手放す気持ちにさせ、二度と動員されることなく、復員(就業)させていく。その難しさは良く分かります。対立している部族間で、その双方に武装解除させるには、双方からの信頼が必要ですし、信頼に足る中立の治安部隊も必要となるわけです。その辺りの事情がとても良く分かります。NGOの方々がこんな状況の中で活動しておられるのか、と深く心に染み入る一冊。